夫の予想外の言葉

夫はすごく驚いた顔で「僕も!」と言ったんですよ。宗教は違うけど、彼も私と同じ宗教三世だったんです。

おお~!!ていうか、宗教三世って言うんや!

はい(笑)。祖父母の代から入信していて、無理やり強制されてたのも同じでした。
あと彼も母親に毎日殴られていて、今でも傷が残ってるんですよ。父親は無関心で助けてくれなくて、今でも母親に追いかけられる夢を見るらしいです。彼は「母親には一生会うつもりがない」と言っていて、なんというか…。

話が早い。

そう!「親子なんだから、話し合えば分かり合える」とか言う人が多いじゃないですか。

話し合って分かり合える親なら、そもそも悩んでないのにね。「親を嫌いになっていい、分かり合えなくていい、一生会わなくてもいい」と思うことで、毒親育ちは救われるのに。

子どもが親を嫌いになるのって、本当に大変じゃないですか。

子どもはどんな親でも愛したいんだよ。私は母が酒でラリってる時も「うちのお母さんは天然ボケで面白い」と友達に話していたよ。自分でもそう思いたかったから。

私も「うちのお母さん、超ポジティブなんだ」「うちのお父さん、超おバカで面白い」と笑い話にして、傷ついてないフリをしてました。

傷からだくだく出血してるのに「平気!痛くないし!」みたいな。そこから生き延びるには、まずは物理的に距離を置くしかないよね。

物理的に逃げるしかないですよね。じゃないと、自分が死にかけてることに気づけなくて「もっと大変な人もいる、私はまだ幸せだ」と思ってしまうから。

縁を切った後も、うちの母親は仕事中に何十回も電話してきたりしたのよ。あと会社に押しかけてきたりとか。

毒親あるあるですね。

そう、そんな話をしても「お母さん、寂しかったのね、あなたを愛していたのね」とか言う人がいて「いい話にすんなボケ!ワシは被害者じゃ!」みたいな。「うちの親は子どもの都合を無視して好き勝手するひどい親だ」と認めるのに、こっちは何年もかかったんだから。

私もいろいろ傷ついて「薄っぺらい綺麗事を言う人とは分かり合えない」と理解できました。無理に理解してもらう必要ないってことも。今はそういう人とはさっさと距離を置きます。

「距離を置く」は毒親育ちの生き抜く術だよね。

彼とはそのあたりも共感しあえるので、ありがたいです。お互い毒親に苦しんできて、宗教と親に挟まれる苦しみもわかるし…あと、宗教あるあるで盛り上がるんですよ(笑)。教祖を褒め称える歌を合唱させられたとか、ひたすら餅を食べる謎の儀式に参加させられたとか。

メッチャ太りそうな儀式(笑)

餅は美味しかったんですけど(笑)。友達にも話せなかったことを笑い話にできて、すごく心が楽になりました。

Sさんと彼はお互いにとって必要な存在だったんだなあ…まさに、ディスティニー!(ポーズを決める)

ディスティニー(笑)!(ポーズを決める)