ダラ嫁、一念発起で家を買う。―後編―

老後の生活を心配するフリーランス女性の画像

 ひとり息子のために家を買おうと決意したダラ嫁でしたが(詳しくは前回のコラムをご参照ください)、なんせ社会的な信用のないフリーランス。ほぼすべての銀行から門前払い同然の扱いを受けました。フリーが住宅ローンを組むには、過去三期分の収支報告書(所得がわかるもの)を銀行に出す必要があります。

 自営業の方ならピンと来るかと思いますが、我々は確定申告の際には少しでも納税金額を抑えるため、とにかく経費として落とせるものは何もかもぶっこみます(ファンビンビンみたいにそもそもの収入を低く申告するのはダメだけど!)。それこそコンビニの100円のコーヒーだろうが10円のうまい棒だろうがレシートをもらいます。どんなにセコい奴と思われようとも、後輩に奢るときだって領収書をもらいます。

 そんな日々の努力の積み重ねで経費を分厚くする結果、フリーの所得というのはギリギリまで低い金額で抑えられているのです。つまり、「カタギ」の人々からしたら、「一体どうやって生活してるの?」とドン引きされるぐらい、いや、自分でも、毎年毎年涙目になるくらい可哀想な金額が確定申告書に並ぶのです。そんなものを銀行に出すのですから、運良くローンが通ったとしても借りられる金額などたかが知れています。