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  • 2017.07.12

「ハイスペ婚したけど幸せじゃない」自分がわからない女子にカウンセリング①

夫に家事をやらせたい、でもしてくれなくて喧嘩ばかり…そんな相談者さんを一刀両断するアルテイシアさんの切れ味、本日も抜群です。伝え方ってとても大事だし、相手を尊重する関係を築くのは難しいけど、それが夫婦ですよね。

夫をパンチする妻だが効き目がない写真

 今回カウンセリングするのは「ハイスペ夫と結婚したが幸せを感じられない」と悩むCさん(32歳、派遣社員)です!

【Cさんの相談メール】
 夫と結婚して6年になります。自分で言うのも変ですが、夫は見た目もスペックも悪くないので、世間の基準でいうと私は幸せな妻に見えると思います。
ただ実際、私は幸せを感じられないでいます。

 この6年間、夫とケンカが絶えません。普段は普通ですが、一度ケンカするとお互い手がつけられない状況になり、私は毎日イライラしているし、セックスレス気味。
夫は子どもを欲しがるけど、私は子どもにそこまで興味がなく、でも年齢的なことや世間の声に焦りつつ「こんな状況で子どもをもつべきか…」ともう6年ずっと悩みっぱなしです。

 最近は夫に触られるのも嫌だし、セックスする気も起こりません。結婚して自分がこんなことで悩む日がきたことに戸惑ってます。
過去に一度、夫婦カウンセリングも受けましたが、全くの無意味でした。こんな夫婦の恥みたいな話、友達にもできません。

 私のように世間からは理想的な夫と結婚して幸せそうに見えても、悩んでいる人はいると思います。私ももう6年ずっと悩んでいて、自分でもどうすればいいのかわからず苦しいです。アルさん、助けてください。

アル:今日はカウンセリングなので耳に痛いことも言いますよ(笑)。まずメールを読んで感じたのは「世間」という言葉が多いこと。「世間から見ると」とか世間のモノサシを気にして、自分のモノサシが定まってないから、「自分でもどうすればいいのかわからず苦しい」んじゃないかな。
ズバリ聞くけど、Cさんはどうしたいの?

C:うーん…それがわからないから、ずっと悩んでるんです。

アル:じゃあ今一番悩んでいることは?

C:うーん…夫への不満がつのりすぎて、セックスもしたくないし、でも年齢的に子どもを産むなら考えなきゃいけないし…。

アル:じゃあ、どういう状況になれば満足すると思う?

C:とりあえず夫とのケンカがなくなって、平穏に暮らしたい。

アル:どうすれば夫とのケンカがなくなると思う?

C:それがわからないから悩んでるんです(笑)。今日も本当は夫を連れてきて、アルさんと話してほしかったんですけど。

アル:いや、そこ(笑)!!厳しいこと言うけど、メールの「夫婦カウンセリングを受けたけど無意味だった」「アルさん、助けてください」という文章からも、他人頼み・他力本願という印象を受けました。

C:……。

アル:気持ちはわかるけどね。私も若い頃「もう自分で考えるのが面倒くさい!誰か正解をくれ!」と占いに通った時期があったから。その時に「思考を放棄して他人の言葉に左右されていると、永遠に問題解決しない」と反省して、非スピリチュアルな人間になったんだけど。

C:私も一応考えてるけど、グルグル堂々巡りになって、解決策がわからないんです。

アル:「悩む」と「考える」は違うから。考えるとは「現状の何が問題か?」「どうなれば満足か?」「そのために何ができるか?」と思考を整理すること。

たとえば「部屋汚いな~イヤだな~でも片付けるの面倒くさいな~」とグルグルしている状態が「悩む」で、問題解決したければ「部屋が汚いのはモノが多すぎるからだ」と原因分析して、「どこからどう断捨離していくか」と計画を立てて、ひとつずつ実行していくしかない。

「朝起きたら部屋がキレイになってますように…」とお祈りしても、こんまりの妖精は助けてくれないから。

C:たしかに(笑)。私は「部屋が汚い!」とひたすらイライラしている状態で、思考を整理するのが苦手かもしれない。

アル:それは訓練で身につきますよ。「現状の何が不満か?」「どうなれば満足か?」「そのために何ができるか?」を書き出して整理してみよう。書きながら「それって本当?」「それってなぜ?」と自分の心に問いかけながら。

C:そんなふうに書いて整理したことはなかったです。

アル:今日はCさんの話を聞きながら一緒に考えてみましょうか。

「普通」が戦争を招く

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アル:まず、なぜ夫とケンカが絶えないの?

C:毎回、些細なことから言い争いになって、お互いヒートアップして、最後はののしりあいになるんです。

アル:ケンカの原因は何が多いの?

C:家事問題が多いですね。私が「なんで何もやってくれないの?もっとやってよ!」と文句を言って、夫が「俺だってやってる」と言い返して…しかも夫が嘘をつくんですよ、やってないくせにやってるとか言って。あと自分でやるって約束したこともやらないし。それを指摘したら「じゃあもう約束なんかしない!」と子どもみたいなことを…!

アル:まあ落ち着いて(笑)

C:でもほんとムカつくんです!!「今やろうと思ってたのにお前が先に言うからやる気がなくなった」とか言うし。

アル:小4か(笑)。暴力とかはないの?

C:暴力はないけど、お互いにキレて壁を殴ったりとか(笑)

アル:真の意味の壁ドン(笑)。そもそも、結婚前に家事分担についてしっかり話し合った?

C:うーん、そんな細かくは話し合ってないかも。夫の方が仕事が忙しいので、基本は私がメインでやって、夫はできることを手伝うみたいな。

アル:ざっくりすぎるわ。お互いのキャパを把握したうえで、具体的にやることを決めないと上手くいかないよね。Cさんは「もっとやってよ」と望んでるけど、夫はその「もっと」が何を指すかわからないから。

C:でも部屋に埃がたまってたら掃除機をかけるとか、私は「気づいたらやるでしょ」と思ってたけど、夫は全然やらなくてビックリしました。

アル:他人は思い通りにならないよ、人はニュータイプになれないから。
だから我が家では「察して禁止令」を導入してます。古より男女間では「なんで察してくれないの?言ってくれなきゃわからないよ!戦争」が続いてるけど、「言わなくても察してほしい」と期待すると戦争になるので、私と夫は言葉で意思疎通している。

C:「埃がたまってるから掃除機かけて」とか全部いちいち言うんですか?

アル:全部いちいち言う。あと「自分の常識と他人の常識は違う」と認識するのも大事だよね。
Cさんは「埃がたまってたら掃除機をかける」が常識でも、夫は「埃ぐらいで死なない、掃除機は週1でオッケー」が常識かもしれない。お互いの常識を押しつけると戦争になるから、「どちらが正しい」と主張するんじゃなく、話し合って歩み寄るべきだと思う。

C:でも普通、埃がたまってることに気づいたら…。

アル:その「普通」が戦争を招くんですよ(笑)。たとえば「バスタオルは毎日洗う」清潔派と「毎日洗うのはもったいない」節約派、どちらも間違ってはないよね?ただ意見が異なるだけで。

そこで平和な解決を望むなら、アサーティブな話し合いをすること。そして、アサーティブの基本は「自分」を主語にすること。
誰でも「あなたのやり方はおかしい!」と責められるとムッとするから、「私は毎日洗わないと生理的に気持ち悪い、他で水道代や電気代は節約するから、バスタオルは毎日洗いたい」と話すとか。

C:夫とそんな話し合いできるかな…。

アル:まずは「あなたはなんで○○しないの?」じゃなく「私は○○してくれると嬉しい、助かる」と言ってみたら?

C:アルさんは旦那さんにそんな風に言ってるんですか?

アル:言ってる。というか私は夫を褒めるのが趣味なので、夫が家事するたび「よっ、現人神(あらひとがみ)!ヒューヒューだよ!」とか絶賛してる。

C:現人神(笑)?

アル:テキトーに思いついたことを言うんだけど(笑)。それは夫の機嫌をとるためじゃなく、自分が機嫌よく暮らすため。

TOFUFUのコラムにも書いたけど、私は母がいつもイライラと不機嫌な人で、それがすごく辛かったのよ。
だから一番の目的は「夫婦が機嫌よく仲良く暮らすこと」で、家事分担はそのための手段だと思ってる。完璧に分担することを目的にするとギスギスしそうだから、うちはかなりゆるゆるでやってるけど、言い方とかは気をつけてる。だから上手くいってるんじゃないかな。

C:イライラしてケンカになったりしませんか?

アル:我が家は「話し合う時はイチャイチャしながら」というルールも導入してます。イライラしながら話し合うと疲れるし、機嫌も悪くなるから。

C:私も機嫌よく暮らしたいです。なんで毎日こんなイライラしてるのかなって…。

アル:それを考えようという話ですよ。イライラの原因はケンカが絶えないからで、ケンカの原因は家事問題が多いなら、それを解決するための作戦を考えよう。 夫は「自分も家事をしよう」というマインドはあるの?

C:「俺もできることはする」と一応言ってるけど、現実に仕事が忙しすぎてできないのもあるかも。

アル:夫も「忙しいのに求められても無理!」とイライラしてるのかもね。まず夫が現実にどこまでできるか話し合って、役割分担を決めた方が、お互いストレスが減るんじゃないかな。あと全体の家事量を減らすのも手だよね。ルンバや食洗器や宅配サービスの導入も検討するとか。
なんにせよ「夫がやってくれない!」と不満をぶつけるままだと戦争は終わらないよね。

C:私が不満を言わず我慢すればいいけど、それができないんですよ。イライラして怒りが爆発しちゃって。

アル:不満があるのに相手に伝えず我慢するのは、感情にフタをしてるだけで、いつかは爆発するよね。

C:だから、どうしたらいいかわからないんです~!

アル:またそこか(笑)

自分でどないかせんとあかん!

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アル:夫はこの状況をどう思ってるの?

C:うーん…さして問題と思ってない気がする。ケンカするたび「離婚する!」とか言い合うけど、内心は「またケンカか、まあそのうち終わるだろう」みたいな。私が悩んでることに気づいてないと思う。

アル:それじゃ夫は変わらないよね。夫婦で問題を共有するために、ちゃんと夫に伝えて理解してもらわないと。

C:もうそれは誰か間に入ってもらわないと無理!

アル:だから(笑)!それは自分でどないかせんとあかん!

C:でもずっと思考錯誤してるけど、変わらないままなんです。

アル:錯誤はしてるけど思考はしてないよね。2人とも冷静にアサーティブに話し合うのは苦手みたいだし、手紙を書いたら?

C:手紙?

アル:メールでもいいけど。直接話すと感情的になってケンカになるでしょ?手紙やメールの方がじっくり文章を推敲できるし、相手も何度も読み直せるし。自分の気持ちをしっかり伝えたうえで、夫と話し合うのがいいんじゃないかな。

C:でも手紙とかちゃんと読むのかな…。

アル:でもでも言ってないで、試しにやってみたら?できれば1週間ぐらい実家に帰るなりして、プチ家出して本気度を見せれば、夫も「事態は深刻なんだ」と気づくんじゃない?

C:どうだろう…夫がそれで気づくタイプとは思えない。

アル:あの~、夫のこと見下しすぎじゃないですか(笑)?「どうせこいつはこうだ」と決めつけてるように感じる。

C:それはあるかもしれない…。「どうせ期待してもしょうがない」と諦めの境地になって、見下してるのかも。

アル:見下してる相手と一緒に住んでたら、そりゃ不幸だよね。

C:だから何とかしたいけど、でも私が夫に言っても無理で、誰かが言ってくれないと…!

アル:誰かは言ってくれません(笑)!自分を救うのは自分!「誰かに救ってほしい」と受け身で他力本願だと、自己解決スキルが身につかないまま、この先もっと大変になるよ。

C:…わかりました、とりあえず手紙を書きます。でも、それで夫が何も変わらなかったら?

アル:それはCさんが考えることだよ。もし夫が何も変わらなければどうするの?

C:ええ、どうだろう…。

アル:離婚するの?

C:いや、離婚はしない気がする…いや、するかなあ…。

アル:じっくり考えてみて。

C:(しばらく考えて)………やっぱりしない気がする。

アル:しない理由は?

C:「もうしょうがないな」って諦めると思う。殴るとか浮気するとかじゃないし。

アル:「これよりはマシ」と下と比べて安心してると、本当に欲しいものは手に入らないよ。

C:その本当に欲しいものがわからないんです~。

アル:そこに戻る(笑)

C:あと離婚するほど夫のこと嫌いじゃないし。

アル:でもそんなに好きじゃないのでは?

C:逆にそんなに好きな夫婦っているんですか?周りを見ても、そこまで好き合ってる夫婦っていないですよ。

アル:いや他人のことはいい、自分たちのことを考えよう。もう一回人生をやり直すとしたら、夫と結婚する?

C:うーん…もう一回するかと言われたら、しないかもしれない。

アル:そもそもなんで夫と結婚したの?

C:…あまり深く考えずに結婚したかも(笑)

アル:結婚した当時は夫を好きだったの?

C:いや、結婚式の時から好きじゃなかった。

アル:おおう~。


―頭を抱えるアルテイシア(笑)、次回に続く!

Text/アルテイシア


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ライタープロフィール

アルテイシア
作家。
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