教祖の洗脳を解く方法

アル:「やっぱり彼しかいない」「彼がいないと生きていけない」って洗脳を解くのには時間がかかった。私の場合は、とにかく自分と向き合いました。

 私が好きだったのは「教祖として理想化した彼」であって、だからひどい扱いされても「本当の彼はそうじゃない」と信じたかったんだなって。
そんな風に偶像崇拝しちゃったのは、自分以外の何かにすがろうとしていたから。「自分を救うのは自分だ」って覚悟がなかったからだって。

AM:そんな風にとことん向き合わないと、前に進めませんよね。

アル:うん。あとやっぱり、同性の友人の存在が大きかった。
同性は恋愛がからまないから、スケベ心がないでしょ(笑)?
話を聞いてくれるし相談に乗ってくれるけど、「救ってあげる、幸せにする」とか無責任なことは言わないし。こっちも変にすがって依存したりしないし。

 女友達が「あの野郎、許せねえ!」って怒ってくれて、「自分は大切にされる存在だ」と思えたし、「服ダサすぎるやん!」とかって一緒に笑えて楽になれた。
だから、苦しい時は同性の友人に頼るといいと思う。それで立ち直ったら、いつか自分も誰かの相談に乗ってあげたらいい。それが支え合いってものですよね。

AM:そういう繋がりこそが、本当に信頼できるものだと思います。

アル:あと、傷ついた女子には「無理に許さなくていい」と言いたい。
傷つけられたら憎んで恨んで当然なのに、「許すのが正しい」と思って、許せない自分に苦しむ子が多いでしょ?でも、許そうと思って許すのは、本当の許しじゃないから。
 本当の許しって「どうでもよくなる」ことなんですよ。

 その彼と別れて数年後、インタビューで「仕事のできる男の条件は、必要のないものを切り捨てる能力」と語っているのをみて、「私は切り捨てられたんだな~」と平然と思ったんです。
心が微動だにしないのは、私にとってもうどうでもいい存在だから。洗脳が完全に解けていたから。
…あと、彼は少し前に結婚したそうなんですよ。

AM:えっ、そうなんですか?

アル:私も一生独身かなと思っていたんだけど。ネットで検索すらしなかったのは、ほんと興味がなかったんでしょうね。
共通の知人から知らされて「へーどんな子と結婚したの?」と聞いたら、「信者みたいな子」と返ってきて。
「あなた色に染まりますって、ひたすら尽くすことに喜びを感じるタイプだよ」と言われて、「あーやっぱそうなんだ」と。私は他人の色には染まれないから、やっぱ合わなかったんだなと。
「彼はマッチングする人を見つけたんだな、老後が不安になったのかしら?」とか(笑)、超冷静に思いました。

「幸せになりやがって!」みたいな怒りもないし「ふーん、あっそう」としか思わない。
愛憎も恨みも執着も自然消滅してしまった、その状態が「許す」ってことだと思う。だから、無理に許そうとしなくていい。許しは勝手にやってくるものだから。
何より一番は、自分が幸せになること。そしたら「今が幸せだし、まあいっか」と思えるから。

AM:そういうアルさんの言葉で「恋愛地獄から脱出できた」「失恋から立ち直れた」って感想をよくもらいます。最後に、支配系の男性に言いたいことはありますか?

アル:「海釣りに行け!」ですかね。
釣竿で魚を釣るぶんには他人に迷惑かけないから。だから、女じゃなく魚を食べてください。
青魚のDHA効果で、頭がよくなるかもしれないよ♪

 アルテイシアさんが普通の男子の性事情をインタビューする『魁!!セックス塾』を当連載と隔週で更新しています。あわせてお楽しみください!

Text/アルテイシア

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