伝える努力とメンテナンス

アル: ただ、伝える努力もしてますよ。
女友達は「夫の洗い物のやり方がヘタでイラつくから、自分でやっちゃう」とか言うけど、それだとストレスたまる一方じゃないですか?

 私も「こんな太い腕で私の何倍も力があるのに、なぜ汚れがとれないんだろう?」と不思議になるけど(笑)、「洗い物は汚れを狙い撃ちするんだ」と説明します。

S: 説明して行動を変えてもらえばいいよね。そこは教育できる部分だから。

アル:あと得意分野で分担すればいいと思う。運搬力とかは夫の方がはるかに優れているし。

 それと「家事を完璧にこなさねば」とか思わない方がいいですね。完璧主義にハマると、自分にも他人にも厳しくなるし。
世の夫は「テキトーな奥さんの方がいい」って意見が多いでしょ。

S: 本当にそう思うよ。べつに家事とかテキトーでいいから、奥さんには機嫌よくいてほしい。

アル: 逆の立場でも、イライラして機嫌悪い夫と住むのはイヤですもんね。

S: うちの奥さんは頭痛持ちだから、僕はよくマッサージをするんだけど。
指圧とか得意なんだよ、祖父が東洋医学に詳しくて仕込まれたから。

アル: 経絡秘穴を突く的な?

S: いや、北斗の拳みたいな技じゃなく(笑)。
頭痛にきくツボを押して痛みが和らぐようにしているんだけど、奥さんも感謝してくれるし、スキンシップはそれで事足りるというか。

アル:うん、セックスよりもそういう触れ合いの方が大事ですよね。
あとセルフメンテナンスって大事だな~と。若い時はストレスを彼氏にぶつけたりしたけど、それってお互い不幸になるじゃないですか?
「日々機嫌よく生きる」が私の人生の目標です。

S: 「人間の最大の悪徳は不機嫌である」とゲーテも言っているしね。
機嫌よくいるために心がけていることってあるの?

アル: 我慢してためないことですかね。
イライラした時はスーパーサイヤ人のように「うおーーーーっ!」と絶叫してから、『劇場版 銀魂』のDVDのバトルシーンを観てスッキリします。
オナニーで抜くのと同じですね。

S: 同じかはわからないけど(笑)、自分なりの対処法があるといいよね。
機嫌よくいることは、夫婦円満の最大の秘訣だと思う。

アル: 手前味噌だけど、夫は「奥さんが朗らかだから家に帰るのが楽しい」と言っています。 帰宅した夫をワオキツネザルの真似でジャンプしながら迎えるので。

S: それは楽しそうだな(笑)。

アル: 「モンスターが現われた!」ってドラクエっぽく迎えるとか。朗らかというか狂人ですね(笑)。
まあ、その方が自分も楽しいし。機嫌いい時なら気にならないことも、機嫌悪いとイラッとするじゃないですか?
だから「空腹にならない」とか「尻を冷やさない」とか、メンテナンスを心がけてます。

S: 尻?

アル: 女は尻が冷えると機嫌悪くなるんですよ。ゲーテも言っていました。

S: 多分ゲーテは言ってないけど、覚えておこう(笑)。