たかがティッシュ配り、されどティッシュ配り
実は、私は若かりし頃、イベントコンパニオンのアルバイトをしたことがあります。初めの仕事は展示会場でのイベントといった華やかなものではなく、CDショップの前でアーティストのCD発売の告知が印刷されたティッシュ配りの仕事でした。
イベントコンパニオンの中には単にバイト代を稼ぐためだけにやっている人もいましたが、私はただティッシュを配っても面白くないので、「どうしたら人がこのティッシュをもらいたくなるのか」を考え、色々なチャレンジをしてみました。
一番、手っ取り早い方法は、「(アーティストの名前)のティッシュをお配りしています!」と言いながら配ると、そのアーティストの知名度によって、そのティッシュの価値は高くなり、多くの人がもらってくれました。
次に自分が「このティッシュは素晴らしく価値のあるものなのだ」と思い込んだ状態で配ったらどうなんだろう?と思って試してみました。すると、その思いが相手に伝わるのか、また高い確率でティッシュを受け取ってもらいました。
さらに、「自分はティッシュではなく、“幸せ”を配っているんだ」と思って、相手の目を見て笑顔で渡すとどうなるんだろう?と思って配ると、さらに人は受け取ってくれました。
こんなことを試しているうちに、ティッシュのはけは良く、予定よりも早くなくなり、さらに私自身も楽しめたので、時間もあっという間に過ぎました。
しかも、次回もその次もそんな心がけてやっていた結果、イベントコンパニオンの中では早いうちからMCの仕事がくるようになり、コンパニオンの時よりも2倍以上のギャランティをもらうようにもなりました。
頑張ってやっていると、誰かが必ず見てくれているものなんですよね。
ティッシュ配りから学べる大切なメッセージとは?
結局、ティッシュ配りという簡単な仕事であっても、自分の気持ち次第で楽しんだり、発見することが出てきたりするものなんです。
さらに言うと、そんなチャレンジをしていると、他の仕事でも通用する大事なことも学べることがあるのです。
例えば、今回のティッシュ配りの例で言えば、「どんな思いでその行為をするかによって、相手の反応や結果は変わる」ということです。
相手の気持ちに立って、どうしたら受け取りたくなるのかを考えることの大切さ。さらに自分が単なるティッシュだと思いながら配るのか、すごく素敵なものだと思って配るのかで相手の反応が変わるように、自分が何かを人に薦めたいときは、まずは自分がそれを心から好きだと思うことが大事なのです。
それはティッシュ配りに限らず、他の仕事……例えば、物を売る商売や、企業の営業、広報・宣伝の仕事でも通ずることです。
結局、人生で大事なメッセージというのは、どんな環境であっても“共通すること”があるんです。些細なことでも一生懸命やることで、それを学べることがあるんですよね。