彼に怒られないように…

前回の記事【「自分の恋人を孤立させたい」という気持ちが友達批判ににつながる!】でも書きましたが、デートDVをしてしまう人は、自分の恋人を孤立させておきたいという気持ちを無意識に持っていることが多いのです。
その気持ちが友達と遊びに行くことに不快感を示したり、友達と遊びに行くことで怒ってしまったりするのです。

大好きな彼氏が怒ることってできれば少なくしたいですよね。
だから、恋人が怒ることはしないでおこうという考えが次第に頭の中に出来上がってしまいます。
お友達から遊びや食事に誘われても、なんだか気持ちが乗らなくなってきて、次第に断ることが多くなってしまいます。

最初はそれでも、お友達の誘いのある時に出掛けたりするのですが、出掛ける⇒不機嫌ということがセットになっていってしまうと、次第に友達と出掛けて楽しいはずが出掛けること自体も楽しむことができなくなってしまいます。

出掛けている間、ずっと彼氏が怒らないかが気になるようになってしまう人もいます。
出掛けている間、ずっと彼氏とメールのやり取りをしているような人もいます。
そのメールのやり取りの中で喧嘩になり、途中で引き揚げて彼の元に戻ってしまう人もいます。

このようになると、
「出掛けない方がいいんだ。」
「出掛けなければこんなに辛い気持ちにならないで済む」
というようにまるで学習させられているかのように、インプットされてしまいます。

もちろん、友達と遊びに行くことで不機嫌になるという中には以前記事にした「暴言」や「家族批判、友達批判」が含まれています。

「たかが、友達と遊びに行くという、たったこれだけのことでなんでここまで言われなくてはいけないのか」
という当然の気持ちも言われ続けている間に人は反発心のようなものが萎えていってしまうんです。
この暴言や家族、友達批判のあまりの言葉の汚さに心底傷ついてしまうことも多いでしょう。

何が正しいかなどという冷静な考えは出来なくなり、
「どうやって怒りに触れないようにするか」
「どうしたら、暴言を吐かれずに済むか」
ということしか考えられなくなる人もいますし、
「もういいや。怒らないでくれるなら、それでいい」
と思考がだんだん鈍ってしまうケースも多いのです。

それが、余計にデートDVに遭っていながら、別れられない状況へと変わっていってしまいます。

友人関係を取り上げてしまうことは愛情ではない

このような関係、良い恋愛だと思いますか?

また、デートDVの人と恋愛をし続けてしまう女性の多くは
「こんなに強く私のことを愛してくれる人は他にはいない」
という誤認識を持ってしまうことで深みにはまってしまいます。

恋愛をしている中で多くの時間を一緒に過ごしたいと思ったり、恋人に不安を感じたり、喧嘩をしたりすることはもちろんあると思いますし、良いと思います。

しかし、恋人にもその人の持っているコミュニティがあったり、友人がいたり、予定があったり、仕事があったりします。

あなたのコミュニティも「彼氏だけ」にはできないですよね。
それに、「彼氏だけ」にすることが本当に「愛」でしょうか?

お互いを尊重し、共に成長し、共に思いやることが出来て始めて理想的な関係なのではないかと思います。
相手を縛ること、相手の将来や、友人関係を取り上げて自分だけの物にすることが愛情ではないと思います。

もし、今自分がこのような恋愛をしているのだとしたら、一度ちゃんと考えてみましょう!

今あなたは恋愛をしていて楽しいと思っていますか?
その関係を幸せと思えていますか?

次回は「シカトされる」について書いていきます。シカトもキツイですよね…。

Text/荻尚子
初出:2013.07.06