歌舞伎町で春画をやる理由

——その春画の魅力を、なぜ歌舞伎町で見せようと?

手塚  歌舞伎町って、基本的にみんな「通り過ぎる街」なんですよ。稼いだら出ていく。だから源氏名がある。でも僕はナンバーワンホストから始まって、30年この街に居着いてしまった。だったら、この街の奥にある魅力をちゃんと外に出していこうと。

 春画はエロでしょ、歌舞伎町はぼったくりでしょ——どちらも短絡的に決めつけられがち。でも実際に触れてみると全然違うんです。春画はほとんどの絵師が手がけていた芸術作品で、色の美しさも技巧も一級品。歌舞伎町も、人と人の関係性が面白い、懐の深い街。決めつけられがちな存在同士だからこそ、歌舞伎町で春画をやる意味がある

——Smappa!Groupは「教養の強要」というミッションも掲げていますよね。決めつけずにまず触れてみる、というのは、教養に出会うための最初の一歩という気がしました。

手塚  教養って何かというと、僕は「他者に対する想像力」だと思っていて。一緒に泣けて、一緒に喜べる人間であること。僕らの仕事って、マニュアル通りに一方的にやるサービスじゃなくて、お客さまと一緒につくり上げるものなんです。その力がなかったら、目の前の人と一緒に何かをつくるなんてできない。春画を前にしたときの反応にも、まさにその力が映し出されるんですよ。色彩の妙に息を呑む人もいれば、隅っこに描かれた猫を見つけて笑う人もいる。どちらも想像力のかたちですよね。

——4月からは、北斎と英泉による春画の展覧会が同じ会場で始まるそうですね。

手塚  今回は、その展覧会へのプロローグという気持ちもあったんですよ。でもやってみたら、小さいからこそ親しみやすくて、春画への間口を広げるにはぴったりだった。豆判は作者がわからないものも多いんですけど、4月からの「北斎・英泉 艶くらべ ー歌舞伎町花盛りー」(4月4日~5月31日)は葛飾北斎と渓斎英泉という名前のわかる巨匠の春画ですから、絵師の個性や技の比較を楽しめます。今回の豆判も含め、春画に興味を感じた方には、ぜひ次の扉も開けてみてほしいですね。

第2会場の休業中のホストクラブ「BOND」にはグッズショップを併設(グッズショップのみの入場も可)。豆判春画のレプリカをはじめ、色気を懐に忍ばせて持ち歩ける公式グッズが揃う。江戸時代、豆判春画は携帯できるお守りとしても親しまれていた。「財布に入れてお守りにしてます」というリピーターもいるそう。

■展覧会情報 「小さな愛の物語——豆判春画の世界——」新宿歌舞伎町春画展WA
会期:2026年2月14日(土)~3月15日(日) 会期中無休
時間:11:00~19:00(金・土は21:00まで)
※最終入場は閉館30分前 会場:新宿歌舞伎町能舞台(東京都新宿区歌舞伎町2-9-18 ライオンズプラザ新宿2F)
※受付はこちら  +BOND(東京都新宿区歌舞伎町1-2-15 歌舞伎町ソシアルビル9F)※能舞台から徒歩約1分 料金:一般1,100円(日付指定制・オンライン予約)/学生700円(当日精算・学生証提示)
※18歳未満入場不可 ※障がい者手帳をお持ちの方と介添者1名は無料 ※来館日に限り再入場可
公式サイト:https://www.smappa.net/shunga/

■次回展覧会 「北斎・英泉 艶くらべ ー歌舞伎町花盛りー」新宿歌舞伎町春画展WA 会期:2026年4月4日(土)~5月31日(日)
会場:新宿歌舞伎町能舞台 + BOND
特別協力:浦上蒼穹堂 監修:浦上満(浦上蒼穹堂代表、国際浮世絵学会常任理事) 主催:Smappa!Group 今回の「豆判」による親密な鑑賞体験から、4月の葛飾北斎・渓斎英泉による壮麗な浮世絵と春画の世界へ。二つの展覧会を通じて、春画の多角的な魅力を堪能できる。