日本では考えられない接客業の態度

 前回は日本レストランに出没して、いちゃもんをつける日本人女性でしたが、客でなく、サービスを提供する側にもとんでもない日本人女性がいます。

 私が見たり聞いたりしたのは、パリにある日本の旅行会社や保険会社で働く人たちのことです。

 フランス最初の年、私は日本の保険に介入していたのでオペラ地区にある窓口に手続きに行った際のことでした。

 病院にかかったときの料金を請求しに行ったのですが、全く同じ担当の女性が、以前説明してくれたことと、今回説明してくれたことと行き違いがあり、それを指摘したら
「保険の契約を読んでないあなたに責任がありますから!!」
とものすごい口調で言い捨てられました。

 怖いし冷たすぎる。こんな接客日本人から受けた事がないんですけど…。

 いや、この分厚い辞書のような契約書を隅々読んでない私も悪いですが、言ってる事が違うし、私は彼女から「すみませんでした」という言葉を期待していたのに、逆に怒られるという事態。

 パリにある日本の会社の人は、日本人女性だし、日本の保険会社だから日本と同じように接客サービスを受けられると思ったら大間違いだ、とこの時知りました。

 というのも、彼女は日本人女性ではあるものの既に都合良くフランス人化してしまっているわけです。
他にも、聞いた話では日本でも有名なパリにある日本の旅行会社に訪れた友達が、同じくそこで働く日本人女性の接客態度が見た事ない程最低で笑ってしまったほど、という話を聞きました。
 パリだけではなく、私と家族でイタリアに旅行に行った際、日本人が大好きなブランドの鞄屋で働く日本人女性にも「この財布、どうやって手入れすればいいですか?」と聞いた母が日本人女性の店員に
「は?」
と返されたと言って、びっくりしていました。

 外国人に噛み付かれるのはしょうがないと思えるのに、日本人女性に噛み付かれると、なぜかショックが大きい。

 こうなると、彼女たちはもはや日本人の皮をかぶった外国人と言えるかもしれません。

 一瞬やさしそう、と見せかけて噛み付かれる。同じ日本人なのに海外に住んでいるというだけで猛禽類に変化する日本人女性たち。
もちろん、海外に住む大変さを分かち合い、助け合える日本人女性というのもいます。
でもたまに、いや頻繁にこういう猛禽日本人女性というのがパリには特に多いようで、お付き合いしていくなかで「…あれれ?」と思うことがボロボロ出てくることがあるのです。
ホント、怖いわぁ。私も気づいたら猛禽化、ってことにならないように気をつけます。

Text/中村綾花

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