手術後に目覚めてから

「……さん……分かりますかー? ……目、覚めた?」
次の瞬間が、この声でした。目覚める直前だけちょっと夢を見ていたような気もする……。
生理の時のような鈍痛を下腹部に感じました。

「気分悪くない? どうですか?」
と主治医に訊かれて、わたしが返した言葉は、
「子宮、見てみたいです」でした(笑)
先生、ちょっと慌てて「え? 見たい? ホルマリンでちょっと臭いかも」と言いながら、見せてくれました。

「豚のヒレ肉みたい」
これがわたしの生の子宮を見た第一印象です。
筋腫と共にわたしの体から取り出されたピンク色の塊は、ちょっといびつなハート型をしていて、脂肪がない赤身の肉でした。
ちなみに、手術終了の報告を兼ねて予告なく見せられたダンナは、しばらく肉の塊=子宮が頭からこびりついて、わたしが送るLINEの肉スタンプにも拒否反応を示しておりました(笑)

手術室から、術後管理をするため1泊だけHCUという部屋に移されました。
背中からは麻酔を入れたカテーテルを残し、そこから鎮痛剤が入っています。
点滴、血圧計、センサーが付けられ、尿道にもカテーテルが入り、管だらけの状態でベッドに寝ている状態。後でナースが着替えを手伝ってくれたのですが、絡まりそうで知恵の輪状態でした。
テレビもスマホもなくてヒマだろうとダンナが本を持ってきてくれましたが、数行読んでも頭に入ってこないし腕は疲れるし、すぐうとうと眠ってしまいます。

喉が渇いたけど、今は口をゆすぐだけで我慢してくださいと言われてしまいました。
傷は、Vゾーンの真上に横一文字15cmぐらい。Vの上部1.5cmぐらいだけ剃毛されていてジョリジョリになっているのに、内心ちょっとウケました。
一度どうしても痛くて、点滴から痛み止めの薬を追加してもらいましたが、背中からの鎮痛剤も適宜自分でボタンを押して追加で流せる(PCAというらしい)のを後から知りました(汗)

次の日には立って歩く練習をするので、HCUにいる間でも布団の中で脚を立ててみたり、横向きに寝返りしてみたり、できるだけ体を慣らしてくださいと言われたけど、なかなか怖くて痛くてできないものです。
窓もない部屋で夕方なのか夜なのか夜中なのか朝なのかよく分からない時間を過ごし、気づいたら担当ナースが交代の時間になり、慌ただしく元の病室に戻ることになりました。

Text/みぃみぃ