誰の幸せも型にはまらない
また、ルースのように、女性が自分らしく生きるためには?とアドバイスを求められると、「とっても難しい話ですよね。自分らしさって何?と聞かれて即答できる人ってなかなかいないのでは」と前置きしつつも、
「私自身も、ここ最近、ようやく楽になれた。『この女性かっこいい!なんて示唆に富んでいて素敵なんだろう!』と尊敬できる人たちに会いに行ったり、ネットで交流したりして影響を受けていくと、どんどん自分の世界が広がっていく。だから、ルースみたいな人に話を聞くことができたらとても良いですよね。こういった映画を観ることも一つの方法かもしれない。」
さらに、「男女といわず、誰の幸せも、型にはまらないというのはルースが体現している。私も本当にあがいたんです。自分が子ども欲しいか分からない、でもタイムリミットは近づいている。そんなときにしたのが、色んな先輩たちに話を聞くこと。それで、人生の選択は三者三様で、自分に誠実だったらその先に絶対幸せがあると気付きました。」と、悩める全ての人たちへエールを送りました。
最後に、これから映画をご覧になる方へのメッセージとして「ぜひ、男女問わず沢山の方に観ていただきたい。自分の器をググッと拡張してくれる映画。なにか壁やプレッシャーを感じている人は、観ると、自分はこれでもいいんだと思うことができるし、他人に対しての尊敬も生まれると思います。それから私は、ルースを真似して、子どもがお年頃になったら、この映画のDVDをあえて気付くところに置き、性教育に使おうと思います。(笑)」と締めくくり、和やかな雰囲気でイベントが終了しました。
<犬山紙子 氏(エッセイスト)プロフィール>
仙台のファッションカルチャー誌の編集者を経て、家庭の事情で退職し上京。東京で6年間のニート生活を送ることに。
そこで飲み歩くうちに出会った女友達の恋愛模様をイラストとエッセイで書き始めたところネット上で話題になり、マガジンハウスからブログ本を出版しデビュー。現在はTV、ラジオ、雑誌、Webなどで粛々と活動中。
2014年に結婚、2017年に第一子となる長女を出産してから、児童虐待問題に声を上げるタレントチーム「こどものいのちはこどものもの」の立ち上げ、社会的養護を必要とするこどもたちにクラウドファンディングで支援を届けるプログラム「こどもギフト」メンバーとしても活動中。その反面、ゲーム・ボードゲーム・漫画など、2次元コンテンツ好きとしても広く認知されている。
<STORY>家族をホロコーストで失った少女時代、終戦後はパレスチナでスナイパーとして活動し、女性が学ぶことが難しかった時代に大学で心理学を専攻。アメリカに渡り、シングルマザーとなり娘を育てた。そして、30歳の時に、3度目の結婚で最愛の夫フレッドと出会う。自分らしく生きるために学び、恋し、戦い、働く。いつだって笑顔で前を向く“ドクター・ルース”はいかに誕生したのか。
監督:ライアン・ホワイト『愛しのフリーダ』 出演:ルース・K・ウエストハイマー
2019年/アメリカ/英語/100分/アメリカンビスタ/カラー/原題:ASK DR.RUTH/日本語字幕:髙内朝子 配給:ロングライド
longride.jp/drruth/
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