もう会話後に反省会したくない!老舗キャバレー白いばらの元ホステスに聞く会話のコツ

「沈黙が苦手でついつい喋りすぎてしまう…」
「会話終了後、脳内反省会が始まる」

相手とのコミュニケーションがうまくいかず、悩んだことがある人は多いのではないでしょうか。いくら経験を重ねても、中々うまくいかないのが難しいところ。

白いバラ元ホステスインタビューの画像

今回は2018年に閉店した東京最後のキャバレー「白いばら」でホステスとして勤め、現在は「白いばら」の魅力を伝え続けるサークル「郷里の娘」に所属する女性たちに無理しない程度に相手とコミュニケーションを楽しむための会話術とはどのようなものなのか聞いてみました。

相槌は「はい」ではなく「うん」

――キャバレー「白いばら」の概要を教えてください。

1931年に食堂として開店し、その後女給さんがお客様を接待するカフェ(特殊喫茶)になりました。戦時中のブランクを経て、キャバレー「白いばら」と名前を改めて営業を再開したのが1951年です。当時は銀座だけでも多数キャバレーがあったのですが、2018年まで続いたのは「白いばら」だけでした。

30年、40年と長く通ってくださっているお客様の中には親子二世代・三世代で来店される方もいました。お客様だけではなく親子や姉妹で務めているホステスもいて、他のお店にはない魅力があったと思います。

白いバラ元ホステスインタビューの画像営業当時の白いばら外観画像

ホステスも、18歳から50代まで230名ほど在籍していて、その中には30年以上「白いばら」に勤めている方もいました。

――歴史あるキャバレーだけあって、他にはない年齢の幅広さと人数ですね。

そうですね。さくら祭りや文化祭など、季節ごとにイベントもあり、そのときはお客様もたくさんいらっしゃって、ホステスが100人以上出勤しました。

――相手と会話をする際は、どのようなことを重視されていましたか?

「お客様が何を求めて来られ、何を持ち帰りたいのか」を察するのがホステスの仕事です。お客様それぞれに求めているものは違うし、ホステスにもそれぞれの接客スタイルがあって、絶対の正解はありません。ただ、相手の話す内容に同調しすぎないことは意外と重要でした。
例えばお客様が誰かの悪口をおっしゃった場合、にこやかに「あの方にはこんな長所があるんですよ」と言うと、流されない会話ができました。

――なるほど……!これまで人の悪口を聞くと同調するか、適当な相槌を打ってしまうことが多かったかもしれません。

普段は敬語でも、好意的で同意できる話は「そうですね」と返し、人の悪口など同意できないことは「そうなんだ」と流すこともありましたよ(笑)

――敬語かタメ口かで気持ちの違いを出す方法、非常に興味深いです。

私は相手によりますが、敬語で話しながらも相槌をうつときに「はい」ではなく「うん」と言っていましたね。そうするとより、相手にリラックスしてもらえるのではないかと思っていました。

――会話は「相手にリラックスしてもらうこと」が大事なんですね。とはいえ初対面の人が相手となると、緊張してしまい中々難しいような……。

初対面のお客様の場合、相手の話す速度やトーンに合わせて話すことを工夫していました。あとはお客様の持ち物をひとつ褒めたりして、親近感を持っていただけるようにしていましたね。

相手に楽しく話してもらうために自分の話をしすぎないことは重要だと思います。
ホステスによって接客スタイルは違いますが、どのホステスもそのことは気をつけていました。

白いバラ元ホステスインタビューの画像

7秒以上目を合わせない、会話の視線テク

――会話中、視線のやり場に困ってしまうことがあります。目を見すぎると気まずいし、見なくてもおかしいし……。どのように工夫されていましたか?

「話し相手と7秒以上目を合わせると気まずくなる」という話を昔聞いたことがあります。なので、7秒を超える前に口元に視線をやったりして、さりげなくそらしていました。

ただ、「この話のこの部分を特に聞いてほしいのだな」と感じたら、お客様がその話をされているときはずっと目を見るようにしていましたね。

――確かに「自分の話を聞いてくれている」と感じると嬉しいですもんね。その他にどのようなリアクション方法を目にされましたか?

先輩ホステスがしていたことで素晴らしいと感じた技術があります。お客様と先輩の間に1人他のホステスを挟み、3人でお客様と話しているという状況がありました。そのとき、間にいるホステスのひざに手をついて、お客様のほうに身を乗り出して話を聞かれるんです。 視線だけではなくて身を乗り出すことで、より相手との精神的な距離を近づけられるのではないかと思いました。

――やはり何十年と勤められているホステスさんがいらっしゃるキャバレーでは、いろいろなコミュニケーション術が学べそうですね。

そうですね。40代や50代のホステスはキャバクラなどにはあまりいないと思うのですが、キャバレーはホステスも長く勤め、お客様も長く通って、時間をかけて関係を築いていく場所でした。先輩方に直接教わったり、接客する姿を見たりして「すごいな」と感じ学んだことがたくさんありました。

先輩たちからホステスとしてのコミュニケーション術を学べるという点は「白いばら」で働いて良かったことの一つです。