成人向け雑誌を見て衝撃だったこと

という話はさておいて、こういうおピンクな企画が掲載されるのは、今となっては絶滅寸前の成人向け雑誌――いわゆるエロ本――で、記事を執筆するとその見本誌が、自宅に届くことになるのです。それまでエロ本を自分で買うことはまずなく、男友達や彼氏の家でたまたま発見したときに、好奇心で覗き見るくらいだった当時のわたしにとって、送られてくるそれらは、かなり衝撃的でした。

例えば、素人女性の痴態を素人の男性が撮って投稿するような投稿誌、高年齢の女性だけが登場する熟女雑誌、そして身体から出るあらゆる液体固体に女性たちが塗れた専門誌。これまでわたしが考えていた「ヌードグラビア」とはまったく違っているそれらに、「ええっ、これがエロなの!?」と驚いたけど、これもまたエロ。それまでのわたしは、男性が興奮するのは綺麗な人の裸や、スタイルのいい身体にだと思っていたのだけれども、そうでもないということに、初めて気が付いたのです。

中でも、わたしが最も気に入ったのは読者投稿誌でした。若くもなく綺麗でもなくスタイルだって全然よくない女性たちが、嬉々として裸を晒しているのを見ると「世の中の女の人たちは、こんなに破廉恥な行為を楽しんでる! わたしだってエロいことを存分に楽しんでいいんだ」と勇気が奮い立たせられる気持ちになったし、どんな裸だって価値があると思えた。

“ボディポジティブ”に近いものを、素人投稿のエロ雑誌から感じたわたしが何を言いたいかというと、自分のスタイルに自信がなくてセックスが楽しめないのならば、素人投稿雑誌を見てみることを、オススメしたいということです。綺麗ごとではないエロがそこにある!

Text/大泉りか