会社はあなたの人生の責任をとってくれない

まず、結婚を機に先輩と上司が仕事を辞め、人員不足によって仕事が回らない負担を被っていることについて。
会社によっては、産休や育休、時短勤務などの制度があり、少し前からは生理休暇という言葉を耳にする機会も増えてきました。
そういった制度が浸透することは、休暇を必要としてる立場の人にとってありがたいものではありますが、誰かが休んだり早く帰ったりしてもその分の人員が追加されるわけではありませんから、通常通り勤めている人には当然しわ寄せがきて、業務量が増えたり残業を余儀なくされたりもするでしょう。

ですが、こういった制度は認められた権利であり、国や会社で推進している事実でもあります。
そして、一度入った会社には退職まで勤め上げなくてはいけないという決まりはなく、自分のライフプランや現時点での生活状況を考慮して退職する人もいます。
休暇制度の取得や退職はその人の自由ですから（もちろん、引継ぎ等をしっかりやってから退職するのが責任ある行動というのは大前提として）、「仕事が回っていない！　自分にしわ寄せが来ている！」という怒りの矛先を向けるのは、いなくなってしまった先輩や上司ではなく、現場の状況を考慮せず、不測の事態に備えて日頃から人員を確保していない会社であるはずです。

もちろん、経営状況などもありますから、いきなり会社が変わるのは簡単ではなく、あなた一人の力で即座に改善できるものでもないでしょう。
ただ、自分に置き換えて考えてみてほしいのです。
もしかしたら、今後あなたは病気や怪我で長期的に仕事を休むことがあるかもしれません。将来的に子供を持ちたいと考えたときに、産休や育休を取得することもあるかもしれません。新たにやりたいことが見つかったり、生活環境の変化によっては、今の職場を辞める可能性もありますよね。
そういった状況になったときに、あなたは誰にも迷惑をかけず、誰からも助けてもらわずにいられるのでしょうか？

どうしたって偏りが生じることに納得がいかない気持ちもわかりますが、持ちつ持たれつ、お互いの助け合いなくしては社会では生きていけないのです。
責任をもって仕事に取り組む姿勢は立派ですし、あなたのような人がいるお陰で会社は成り立ち、社会は回っているのだと思います。
でも、会社はあなたの人生の責任を取ってくれはしない、というのは念頭においてほしいと思います。

愚痴ってスッキリして完結させていい

次に、美人で気遣いのできる先輩と13歳年上の上司が結婚したことについて。
誰がどんな人と結婚するのかは本人の自由なので、あなたとは一切関係のないことのはず。
業務への支障や不用意な詮索を避けるために社内恋愛を公にしないのはよくあることですし、むしろ気遣いだとわたしは捉えました。
相談文から、あんなにも素敵な先輩なのに、結婚相手が13歳も年上の上司とだなんて……という、「なんであの人と？！」という納得できなさが透けて見えたのですが、いかがでしょうか。
恋愛面でのお互いの魅力というのは当事者にしかわからないことですから、よっぽどその上司が極悪人とかではない限り、あなたが口を出していい領域ではありません。

最後に、呼ばれた結婚式が明らかに数合わせだったことについて。
「数合わせで結婚式に招待される」というのは、人生における『面倒くさいけれど避けられないイベントランキング』なるものが存在すれば、きっと上位に入るでしょう。
それも職場の上司の、となれば「その日外せない出張があって……」と仕事を理由に欠席することもできませんよね。
ヘアセットやらドレスやらの準備をして、安くないご祝儀を包まなくてはいけなくて、疲れてるのにせっかくの休みの日に……というのは、きっと心から祝福したい仲の良い友人であれば抱かない感情のはず。

仕事上の付き合いであることや今後の社内の人間関係を考えると、数合わせで呼ばれた結婚式にかかる費用も必要経費といえばそう捉えられなくもないのですが、ずっと関係性を隠されていて、しかもすでに退職していて、そのうえ業務上で迷惑を被っていて……となれば、そりゃあモヤモヤもするでしょう。
でも、それは楽しい毎日を送れないほど長く引きずるほどのものなのか？　とも思うのです。

モヤモヤしてしまうのはあなたの感情なので否定はしませんし、一度浮かび上がってしまったものは仕方のないことですが、たった一日の出来事をずっと引きずるのはあなたの精神衛生上よろしくないのではないでしょうか。
たとえば、今後もずっと付き合っていかなくてはいけない親族だったり、交友関係が広くかぶっている昔からの友達とかなら、つかず離れずでうまい具合に波風を立てずに付き合いを継続させていく必要もあるでしょう。
ただ、その先輩と上司はあくまでも仕事上の付き合いで、すでに退職もされているわけですから、今後のあなたの人生にはまるで関係のない存在ですよね。
そもそも心を砕くような関係性でもなかったようですから、金輪際関わりがなくなったとしてもあなたは困らないはずです。
はっきり言って、今後の自分の人生にいてもいなくてもなんの差し支えもない人のことを考える時間って、無駄だと思います。
一時点のモヤモヤを持続させる必要はないのですから、仲良しの友達に愚痴ってすっきりしておしまい！　といった風に完結させていいレベルのことではないでしょうか。