魅力的なモテ人間「楽しませ上手」になるコツ

歴史嫌いの母から生まれたレキジョの娘

家具が浮いている部屋の画像

 私は正直、歴史が面白いと思ったことが一度だってなかった。日本史も世界史も厄介な漢字の羅列、カタカナの羅列以外の何物でもなかった。なのに、小学生の娘は暇さえあれば兄の歴史の教科書を読んだり、ネットで戦国時代について調べている。いわゆる「レキジョ(歴女)」というやつである。父親の方にも歴史好きの要素はなかったと記憶しているので、まさかうちの娘がレキジョになろうとは思いもよらなかった。

 あるときそんな娘から「徳川家康の元の苗字は松平だよ」と聞かされた。夏休み中、延々と語られる歴史うんちくに、ほ〜、とか、へ〜、とかぼんやり生返事ばかり返していた私。しかしそのとき初めてビビビッときた。「松平?知ってる!松平の時代にも一時将軍だったでしょ?」ポカンとした表情を浮かべる娘。直後に私、はっと声をあげた。私の知っている「松平」は、何を隠そうかつての暴れん坊将軍こと「松平健」。21世紀の今尚生きている現代人であった。当然ながら徳川家康とは別人。この件によりあらためて、やっぱ歴史とは相性悪いな、と思ったのだった。

 とはいえ、歴史が好き、という人の思考回路、理屈ではわからなくもない。
歴史は人の営みの記録だ。歴史嫌いの私が何を偉そうにという感じだが、人間関係や、前後の状況などを調べるうちに段々と点が線でつながっていったり、過去の偉人たちの人となりが頭の中でありありと描かれていったり、そういうのがきっと面白いんだろうと思う。でも私は物語をイメージする力が弱いのだろうと思うし、またどうしても、教科書や伝記に載っているような一般に知られている情報に、果たしてどの程度真実が含まれているのかという疑いを捨てきれない。
何しろ世に出てる情報なんて所詮は、世に出して支障のないものである。何十年、何百年、何千年と語り継がれているのなら尚のこと、もはや真実の断片すら残っていないのでは……と。で、こんな考えだから、やっぱり一向に、歴史に興味が持てないでいる。