昔から、月は伝承のなかでも多く取り上げられ、人々の興味を引く存在でした。1980年代になると、科学的側面でも人体との関連性が注目されはじめました。
アメリカの医師アーノルド・L・リーバー博士の研究著書『増補 月の魔力』(A.L.リーバー:著 東京書籍)では、海水と人間の血液は、塩分濃度からミネラル含有量までほぼ同じ成分でできており、地球上で海水が占める割合と、人体内に占める水分の割合がほぼ等しいこと、そして潮の満ち引きと人体には深い関連性があると言及されています。
潮汐力の影響で血液の循環が活発になるため、「新・満月期」になると「手術時の出血量が増える」「体内の液体バランスが崩れ、情緒不安定になる」といった報告もあり、助産師たちは満月になると出産が増えると言います(私自身、第一子は満月の日に産んでいます)。そして、潮が引くときには、天国へ召される方が増えるとか。
自分の心と体の声に耳を傾け、見つめ直す一途として、月の満ち欠けのリズムを意識して暮らすというのは、精神的な側面だけでなく、科学的にも一理あることなのかもしれません。
そこで、月の満ち欠けのリズムに合わせて、五感が研ぎ澄まされてくるような、シンプルなごはんを作ろう、というのがこの連載のテーマです。
新月に取り入れること
昔から、「その月の始まり」という区切りを知るための大切な目安であった新月。ひとつのサイクルが終わり、新しいサイクルが始まるこの時期のキーワードは「浄化と新生」です。
新月期の過ごし方としておすすめなのは
1.家の掃除をいつもより丁寧にする
2.お風呂の時間を大切にする
浄化力が高まるタイミングですので、日頃の掃除をいつもより丁寧にするとよいでしょう。普段あまり力を入れて掃除しない玄関や、窓などをきれいにすることもおすすめです。お風呂に入るときは、湯船に自然塩を入れたり、高品質で純粋なエッセンシャルオイルを入れるとよいでしょう。リラックス効果もありますし、手軽にできる邪気払いになります。
次の満月に向けてエネルギーを満たしていけるように、体のなかにある古いものをすべて出し切り、デトックスをしましょう。
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