行楽の秋、どのように過ごしますか?
灼熱の暑さが嘘だったようにすっかり肌寒くなったこの頃。夕食後のあてもない散策などが楽しい季節となりました。その反面、街にはマスクをしている人たちが少しずつ増え、風邪や体調不良も懸念されます。皆さまは健やかにお過ごしでしょうか?
「行楽の秋」ということで、今週末は各地で楽しそうなイベントが開催されるようです。
2日3日に青山スパイラルで行われるOZマガジン主催【女子旅EXPO】に、私も出演させて頂くことになりました。
3日(土)の12:30からは名古屋ブースで「名古屋おもてなし武将隊」の前田慶次さんと、14:30からは「東京喫茶店研究所初代所長」であり、「コケーシカ鎌倉」を営む沼田元氣さんとお話させて頂きます(12:30からのトークは入場無料ですので是非! 14:30からのトークは予約制で満員御礼となっています)。
旅がテーマのこのイベントでどんなことをお話しようか……ここのところそのことばかり考えています。
いつの頃からか、旅へ出るときはまず、その土地にある良さそうな純喫茶を探すことが準備に含まれるようになりました。ひと休みするためだったはずが、だんだんと旅の目的自体になった純喫茶めぐり。
「旅」というのは、空間や時間を移動することがその楽しみですが、自分のいる場所が変わったからといって、好きなものや趣向、行動が変わるわけではありません。結局、違う場所で「いつもの好きなもの」に存分に向き合えるということが楽しいのだと考えています。
好きなものは皆さんそれぞれで、たとえば、お城、暗渠、雑貨屋、古書店、居酒屋など、目指す場所はいくつもあるでしょう。私の場合はそれが純喫茶で、日常生活でもこれだけ心奪われているというのに、遠くへ出掛けているときでも一瞬たりとも頭から離れることがない恋しい存在です。
初めて見る景色の中にも「珈琲」「喫茶」「カレーライス」「COFFEE」などの文字を自然に目が探してしまうのです。
それゆえに、旅に出て心が休まるということはあまりなく、むしろいつも以上に「あれも見たい!」「たくさん吸収したい!」とはりきり過ぎてしまうためか、自宅に戻るとぐったりしてしまうこともしばしば……。しかし、後日たわいもないことを思い出して1人でくすりと笑えるような瞬間や心地良い疲れがあるのなら満足する旅であったと思えるのです。
まだ見ぬ日本の素敵なところは数えきれないほどあって、たとえ一生をかけたとしてもその全てを知りえないのだろうともどかしくも思いますが、せめて一つでも多くの気になる街を歩き回れますように。
【女子旅EXPO】では、トークイベントの他、「名古屋の絶品小倉トースト&コーヒー」「47都道府県の新観光案内」「日本全国の名店商店街」「47スタ麺ショップ」「日本が世界に誇る国産ワインだけが揃うワインバー」「日本中のイイモノを集めた2日間限りのアンテナショップ」などわくわくするコーナーが盛りだくさんです。
また、3日の19時からは、『純喫茶とあまいもの』の帯に素敵なコメントを添えて下さったサニーデイ・サービスの曽我部恵一さんのライブもあります。美味しいお料理を頂きながら曽我部さんのやさしい歌を聞くうっとりする夜を一緒に過ごしませんか?
古川統括編集長、滝瀬副編集長を交えた、沼田元氣師匠とのお話も皆さまの旅のヒントの何かになればとても嬉しく思います。
Text/難波里奈
難波さんの新刊『純喫茶とあまいもの』に興味がある方はこちらから!
次回は<美術館のような空間を1ページずつ堪能してほしい『純喫茶の空間』/難波里奈>です。
難波里奈さんの今年3冊目となる『純喫茶の空間 こだわりのインテリアたち』が発売となります。ぜひ純喫茶に足を運ぶ機会があれば、店主の方々のこだわりが詰まった極上のインテリアにも注目してみてください。