好きな純喫茶ができると、その街を更に好きになる。仙台の人が羨ましくなる「どんぐり」の魅力

初めてはドキドキとワクワクが同居する

 秋の夜長、行楽の秋、と本来なら週末が待ち遠しい季節ですが、毎週のように台風や地震にハラハラさせられるこの頃ですね。皆さまはいかがお過ごしでしょうか?

 例年なら晴れの日が多いこの季節は、散策に最適なので旅に出たくなります。とはいえ、個人的には「この先、純喫茶だけを目的としたこんなにも濃厚な旅を重ねる時間はもうないだろう」と思ってしまうほど、2018年の春は北から南まで本当に様々な土地へ出掛けてきました。

 純喫茶で取材させて頂く時、すでに何度も訪れていて顔見知りのお店はどこか安心感がありますが、初めてお邪魔するお店は楽しみである反面、ひたすらに緊張感を伴います。

『クリームソーダ 純喫茶めぐり』で紹介した仙台市内にある「どんぐり」も、過去に数回訪れたことがあるとはいえ、名乗って言葉を交わしてはいなかったので、きちんとお話を伺うのは今回が初めてでした。

仙台市のコーヒーショップどんぐり

 何について伺いたいか、どんなことを話そうか色々とシュミレーションしたものの、どんどん上昇する心拍数。わたしはそのままお店に向かいました。

 どきどきしながら扉を開けると、カウンター席では一組のカップルがとても楽しそうにお喋りをしていて、常連客らしき方はテーブル席で寛いでいました。
こじんまりとした店内は暖色のランプに照らされ、カウンターの中から優しそうな笑顔のマスターが迎えて下さいました。

仙台市のコーヒーショップどんぐり

 至るところに飾られているぬいぐるみや人形たちは「常連さんにもらった」そうで、きちんと整頓されているため、煩雑なイメージはありません。