心のなかの「パリ」を持たない人もいる

 というわけで、もしあなたの心のなかに隠喩的な「パリ」があるのだとしたら。小説の主人公たちのように、とっととさっさと「YOU、行っちゃいなよ!」と煽るのが今回のコラムの主旨なのですが、世の中にはどうやら、隠喩的な意味での「パリ」を持たない人というのもいるらしく。この人たちは本質的なところで、「今のこの現状を変えてくれる、異なる世界」なんてものはないと、わかっているようです。私のなかでは、こういう方は腰を据えて地方で農業なんかをやっていたり、何人もお子さんがいらっしゃったりするイメージなのですが、なんというか、大人だ……。

 こちらとしてもいい年こいて「自分探し」なんてやってるつもりはないのですが、世の中にはまだまだ私の知らないところで、私の知らない美味しいものを、たらふく食ってる連中がいるんじゃないかと思っちゃうんですよね。そんな美味いもんがあるなら私にもくれよ!そうして私は今日も新たな旅の計画を立てているわけです。さてあなたはどうでしょうか。

 心のなかに、「パリ」はありますか? また、その「パリ」に行ってみたことはありますか?

Text/チェコ好き

※2015年11月14日に「SOLO」で掲載しました