BUMP OF CHICKENがサブスク解禁
つい先週のこと、BUMP OF CHICHENというバントがサブスクリプションを解禁した。
私はBUMP OF CHICKENという存在が大好きなのである。救われていると言ってもいいし、もしこのバンドがいなかったら/出会えていなかったとしたら、今の私はいなかっただろう。
学校では気の合う友達に出会うこともなく、当番制だったいじめが私に回ってきたこともあった。家では両親が顔を見合わせる度に喧嘩をしていた。当時はそれが当たり前のことだったけれど、今になって冷静に考えてみると随分ひどい環境のなかにいたものだ。
辛いときはいつも音楽を聴いていたし、楽しいときだって何かしらのBGMが常に頭のなかで鳴っていた。音楽を通じて友達だってできた。もし私に音楽がなかったとしたら、こうして文章を書くこともなく、毎日モヤモヤとした不満にも似た何かを抱え、人の波に流されながら生きていたのかもしれない。
好きなものはたくさんある。それぞれが少しずつ私の精神を作っているのだけれど、特に音楽はずっと私のそばにいてくれた。私を、今までいた世界の外へと連れだしてくれた。そのなかでも、BUMP OF CHICKENは私にとって、特別な存在だった。
最後に聴いたのはいつだったっけ? 昨日や、一昨日じゃない。もしかしたら、半年……それ以上耳にしていないのかもしれない。記憶から取り出せないくらい久しぶりに彼らの音楽を聴いて、当時のことやそのとき考えていたこと、色々なことを思い出した。
最初にリリースされた『FLAME VEIN』を聴きながら「演奏全然うまくないな」「でも、当時はこの音源が宝物のように大切だったんだよな」と思ったり、『orbital period』に入っている『プラネタリウム』という曲を聴きながら、友達と一緒に30分くらいかけてCDを買いに行ったこととか。すっかり忘れていたことが、耳に入ってくる音楽とともに思い出されてくる。
「特別だ」と言いながら、距離は遠くなる一方な気がする。CDはすべて実家に置いてきてしまった。昔ほど頻繁に聴くこともなくなった。人と音楽の話をしても、別のことを話す機会が多くなった。
昔の自分に焦点を当て、懐かしさや当時抱えていた苦しさに満たされることはあっても、きっと気持ちがあのときに戻ることはたぶんない。懐かしむことはあっても、昔と比較して、当時をうらやましく思うことも。
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