お母さんがエロのアンチとは限らない。信頼できるエロ業界の女性たち

エロ業界に20年以上も巣くっていると、それなりに知り合いができるものです。が、モデルや女優といったおもてに出る女性はさておいて、裏方に関していえば、やはり女性よりも男性のほうが圧倒的に多い。ゆえに女性でエロで裏方という人と会うと、「信頼できる!」と思うし、積極的に繋がって親しい関係を作りたいと思う。

つい先日、旧知の仲で、かつては一緒にロザンゼルスで鼻フック興行を行ったカバカバ男というマニア系アダルトビデオ監督の現場を見学する機会がありました。「ちょっと見に来ない?」と誘われたので、ふたつ返事でホイホイと遊びに行ったところ、ついた現場はピザ屋……ではなくピザ屋の二階。「こんなところで、AVの撮影を……!?」と外階段をあがって扉を開くと、学校の教室のようになっていて、めちゃくちゃ驚いた。

もうひとつ驚いたのは、ADとして旧知の女友達が入っていたからで、彼女こそ「信頼できる!」女性のひとり。カバカバ男監督と彼女も長年の付き合いがあるので、ADとして入っていて、なんらおかしくはないのですが、酔っ払ってへべれけになっている姿は数知れず見ているけれど、働いている彼女の姿を見るのは初めて。スタジオの端っこで気配を消しつつ、じっと観察していたら、出演者はもちろん、スタッフにも気を配りつつ、テキパキと進行をこなしている。やっぱり「信頼できる!」。

さらにいうと、その現場のメーカーのプロデューサーも女性で、メイクさんも女性。半数とまでは行かないけれども、女優さんとわたしを加えればその場にいるほぼ過半数が女性という状況。アダルトビデオというと、男性の、男性による、男性のためのもの、という印象があるけれど、現場は決してそういうわけではないことを思い知ると同時に、女性スタッフがエロの制作の場にいるのはいいなぁと、しみじみ感じたのは、撮影中のとある出来事を目撃したときでした。