ブランド物は麻薬よりも心を満たす

こんな感じにお店で何かと闘い何かから勝ち取って得たブランド物はドラッグみたいなもんである。どの麻薬よりも心を満たす。
別に自分がこの服のデザインをしたわけでも縫ったわけでもないのに、自分がセンスの良い位の高い人間になったような気にさせてくれるのがブランド物だ。コーフンしないほうがどう考えたっておかしい。

だからこそ気色悪いとも言える。
私はマルニとジルサンダーでよくわからん形の服を2度買い、そして捨ててしまった。
自分は他の人と違うぞだなんて自惚れた自意識の鎧を身に纏っている感覚に陥ってしまうのだ。
自分は自分で、別に何も変わっていない、痛々しくてキモくてどうしようもない低所得者なのに、一体私は何に興奮と快感を覚えてイキがっているんだろうかと耐えられなくなってしまったのだ。
つくづく私には買い物が向いていない。高級品が向いていない。女の子が向いていない。どこまでも下戸である。

だから、伊勢丹とかニュウマンとかで小綺麗な女の人を見るととてもジェラシーを抱く。憧れる。あんな風になりたかった、と。
今回は女の人をやや小馬鹿にしてる風に散々書いてしまい気分を害された方もいるかもしれないが、決して馬鹿にしているのではないことはどうかご理解いただきたい。これはジェラシーなのである。
私はキラキラしてる女の子にはなれなかった……その逆恨みでしかないのだ。こんな意地悪なことを書いている時点で私はすでに完敗している。

それでもまだ女の子になることを諦めきれない私がいる。なぜなら今、髪を伸ばすために毎日頑張ってビタミンEオイルを髪に塗り込んでいるからだ。ようやく耳が隠れる長さまで伸びました。
女の子への道のりはまだまだ長そうである。(ていうか再来月で29歳なんだけど……)

Text/oyumi