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  • 2013.08.09

圧倒的カリスマパンダとそれ以下の動物たちの悲哀/少年アヤちゃん東京散歩

圧倒的なカリスマを持つパンダとゾウの落差…

少年アヤちゃん 東京散歩 コラム 上野 AM
少年アヤちゃん 東京散歩 コラム 上野 AM

【前編はこちら】→想像妊娠したパンダ・シンシンに会いに…

 入場して一発目にパンダを見て、すっかり満足してしまった自分を誤魔化しつつ、「ゾウのすむ森」へと向かいました。
マップで見ると4キロくらいありそうな道のりは、実際歩くとたった数分ほどの距離しかなく、やや拍子抜けしながらゾウの群れと初対面。

 サービス精神旺盛なパンダと違い、彼らはひたすらおっとりした性格で、自分の出したウンコを自分で踏んだりしていました。

 このゆるさこそが魅力なのかもしれませんが、パンダの圧倒的カリスマ性に触れたあとではどうも物足りなさを感じてしまい、いまいちほっこりしきれず……。

少年アヤちゃん 東京散歩 コラム 上野 AM
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 続けてライオン、トラ、ゴリラがセットで詰め込まれた森へ。

 ここならパンダを越える動物がいるかも?と思ったのですが、
ライオンとトラはキャラがかぶっているせいかインパクトを相殺し合い、ゴリラに至っては不在でした。

「ゴリラ不在」という現実は思い返すとちょっとウケますが、取材時はすっかり興ざめしてしまい、ますますパンダのスター性について思い返してしまうのでした。

言いようのない哀愁を漂わせるライオン

少年アヤちゃん 東京散歩 コラム 上野 AM
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 動物たちもそんな人間の気持ちを知ってか、なにか言いようのない哀愁を漂わせていて、特にライオンの背中が放っていたオーラは「かつては威厳のあった父親がすっかり小さくなって」みたいな、治しようのない感じのものでした。

 唯一百獣の王の片鱗を感じさせたのが排尿の勢いで、スパーーッと切れ味の良いウォーターカッターを連想させました。
尿道の粘膜が強いんですね。

 ちなみにこの森は、「宝くじの普及事業として整備されたもの」らしく、人間の力ってすごいと思いました。

少年アヤちゃん 東京散歩 コラム 上野 AM
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 ここまでが「パンダには劣るけど、まあ花形」なエリアだとしたら、それ以降の寂れっぷりは地獄だった。

 悪臭にまみれた鳥小屋、発狂したように糞尿を撒き散らして暴れる猿、ハリボテの氷上でうなだれるシロクマなど……。

 なぜかゴキブリが国宝のように展示されているエリアもあり、花形動物との落差がトップアイドルと地下アイドルの対比そのものだった。
とすると、エースのパンダは聖子でゾウはおニャン子か。
そしてライオンは明菜で、ゴリラはユッコなのか……。

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 色々な符号に納得しながら、今度はモノレール(160円)に乗って園内を移動。

 着いた先には大きな池があり、その裏に爬虫類ばかりが集まった集落がありました。
激しいトップ争いから解脱した彼らは、地味ながらも安心して見られる存在で、メジャー戦線を離れて豊かに暮らすサブカルミュージシャンのようでした。

 彼らから見たパンダとかほんと邪道なんだろうな。

最後に見た本格的な地獄

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「くさい!」と言っています

 と油断しながら見に行ったキリン、カバ、サイなどの集まったエリアが、いよいよ本格的な地獄で、色々考えさせられてしまった。
なんと彼らは、大きな身体を拘置所のようなスペースに押し込まれながら、「動物園」という圧倒的不自然のなかを淡々と生きていたのです。

 それが力強くもあり、せつなくもあって、人間として罪悪感を感じるところでもありました。
いや、罪悪感が一番大きかったと思う。


 パンダから通して、メジャー→マイナーメジャー→サブカル→アングラと堕ちて行くグレードから、私たちはなにか哲学を得なきゃいけないのかもしれない。
そうでもなければ、動物たちから奪った自由が浮かばれないと思う。

 アイドルに置き換えてもそれはきっと同じで、ただ消費するだけの存在に留めてはいけないんだろうな……と、必要以上に思考を重くしながら、糞尿の香る上野動物園を後にしました。

少年アヤちゃん 東京散歩 コラム 上野 AM
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 それから帰りはちょっぴりアメ横も覗いてみたのですが、動物園以上に動物化した人間の活気が凄まじく、食欲、物欲、性欲、自己顕示欲、そしてエゴの渦巻く上野はつくづく人間の街だと思いました。
すごいところです。

Text/少年アヤちゃん

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おまけ

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ライタープロフィール

少年アヤちゃん
平成元年、消費税と共に生まれたブスでニートのオカマ。サゲマンJAPAN代表。

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