夫には親になる自覚がない。「ちゃんとして」では伝わらないこと

自分ファーストを率先して行う女性の画像

最近になって、妊娠中の女性たちからパートナーへの悩みや相談がインスタのDMに続々と届くようになった。

中でも一番多いのが「旦那には親になる自覚があると思えない」というもの。
夜中に帰ってくる、タバコをやめない、赤ちゃんのことに興味がない、頻繁に飲みに行っているなどの理由から、女性は「親になる自覚がない」「こんな人だったのか」と男性に対してガッカリしたり、不安に思うことが多いようだ。

けれど、「親になる自覚」って一体、なんなのだろうか。
妊娠10ヶ月を迎えた私にも、実はイマイチ分からない。

妊娠が分かってから今日までの間に「私、親になるのか……」と意識した瞬間といえば、初めてエコーで動く姿を見たときと胎動を感じたときぐらいで。ドレープのついた小さなベッドを覗き込んでみても、この無垢な囲いの中で眠り、泣き叫び、笑いかけてくれる生き物と数日後に対面するとは、未だに信じがたいのだ。

10ヶ月もの間を一心同体で過ごしている女の私ですらこの程度となると、身体になんの変化も現れない男が妻の妊娠中に「親になる自覚」を持つことなんて到底不可能に思える。

雑な表現にはなるが、妊娠中の妻と夫では、爆弾を体に巻きつけられている人とそれを見ている人ぐらいの差がある。だから、夫が妻の妊娠中を少々呑気に過ごしてしまうことも、妻がそれに苛立ったり、不安を感じることも、どちらも普通なことだと私は思う。

お腹をなでたり、ベビー用品を一緒に揃えたりすることで、わずかにその差は縮まるのかもしれないが、差をゼロにするのは難しく、この差を無理に埋めようとすればするほど、上手くいかないギャップに苦しむことになるだろう。

「2人の間に生まれる2人の子ども」への意識に差があるのは残念なことではあるが、こればっかりは人間のシステムを憎むしかない。