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  • 2016.09.27

別れと終わりの受け入れ方 「父の葬式」で感じた新しいはじまり

夏の終わりに痛切な寂しさを感じるのは、気温が低くなった寒さのせいだけではありません。社会的にもさまざまな変化が起こった今年上半期は、肉乃小路ニクヨさんにとっても終わりを強く意識する季節でした。特に人が亡くなるということは取り返せない喪失を生むもの。でも、そこから新たな出会いも探せるはずなのです。

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by wickenden

 25年も続いていた男性アイドルグループの皆さんが解散されるようですね。
私は特にファンではなかったので「あ、そうなんだ」というくらいですが、
新聞は一面を飾るし、ニュースでもたくさん取り上げられていて、私と世間のズレのようなものを感じたニュースでした。

 一緒にしては失礼ですが、そのちょっと前には天皇陛下の生前退位希望のニュースもありました。
象徴としての職責を果たすことが困難になってこられたとのことで、経済活動やその他諸々に配慮し、生前に退位して皇太子様にその職責を代わってもらいたいとのことでした。

 オリンピックも終わり、永六輔さんが亡くなり大橋巨泉さんが亡くなり、ザ・ピーナッツのユミさんも亡くなり。
今年の夏は私にとって、終わりというものを強く感じさせる季節でした。

 終わりについて。それは寂しいことのように思えますが、意外と私は嫌いではないです。
終わりはひとつの節目で、そこからまた新しい何かが始まるというように考えているからです。

 千葉県育ちでラテン気質の私は、新しい何かが始まるということをあまりマイナスに捕らえていません。
あと、双子座のせいか、飽き易く、新しいことが好きな性分です。
思えば父親の葬式の時でさえも、笑顔こそ浮かべなかったものの、すっきりとした気持ちになったのを覚えています。

お葬式のもう一つの意味

 お葬式は故人を偲んでお別れをする場でありますが、
遺族が顔を揃えて、お世話になっている方々にこれからもよろしくお願いしますという挨拶をする席でもあると思っています。
私も精進落としの席などで、お酌をして回ったり、料理や飲み物、お坊さんの手配に忙しく、バタバタして、しんみり故人を偲ぶ時間がほとんど無かったことを記憶しています。

 別れや旅立ちはいつも突然で、慌しくて、十分な準備がないからそわそわします。
その感覚が私は嫌いじゃないのです。

 クラブでやるショウも、定番のものをやっても良いはずなのに、新作をどんどんやってみる癖があります。
そのドキドキやアドレナリンが出る感覚が好きなのです。
手探りで何かをしている時って、生きてるって感じがします。

人生は沢山のことに出会う旅

 そんな風に考えるようになったのも、人生自体が旅だなと思うようになってからです。
出会って、別れて、また出会って、別れて、そうしていつかは自分がこの世界と別れて、新しい旅に出る。

 今日哀しい別れがあっても、明日には。
明日じゃなくても明日以降には、新しい出会いが待っています。それが人生です。
私もむやみやたらに新しいことを何でも吸収するというタイプではないし、積極的に新しい環境を作り出すというタイプでもないけど、
生きていれば、縁あって新しく出会う人は沢山いて、そうした出会いが私は好きなのです。

 実際に旅に出て、日常を客観視したりすることも素敵ですが、
毎日が旅だと思っていれば、特別なことをしなくても、必ず新しい何かと出会えるのです。

 夏が終われば、秋が来ます。
夏の終わりはいつも物悲しくなりますが、
毎日の出会いを生温かく見守っていれば、別れた何かと同じような素敵な人やモノと出会えます。
この星には70億を超える人が居て、その数だけ出会いもあるのです。

 私はそうやって終わりや別れを受け容れてきました。


Text/肉乃小路ニクヨ

次回は<その報道はセカンドレイプそのものです――2世俳優の不起訴処分を考える>です。
大々的に報道された強姦致傷容疑で2世俳優が逮捕された事件。二世として有名になり、母親も現役で活躍していたことから話題はふくらみ、無遠慮で配慮のない質問をしたインタビュアーが二次炎上した末に示談による不起訴が報道されました。マスコミやメディアの報じ方が問題視されたこの件に、ニクヨさんが時事問題と向き合う誠実な姿勢もみえました。

ライタープロフィール

肉乃小路ニクヨ
東京の片隅でひっそり生き続けるちょっぴりしょっぱくてサワーなニューレディー。オーバー40歳、崖っぷち女装

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