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  • 2015.07.15

母親との関係が女友達との距離感に影響する?/川崎貴子×家入明子対談 Vol.3

美人過ぎる女社長としても有名な川崎貴子さんと、企業家の妻としての10年に及ぶ専業主婦生活にピリオドを打ち、新たな人生をスタートさせた家入明子さんのおふたりに、結婚や離婚におけるしくじり経験や気を付けておいた方がいいことを語っていただきました。全4回に渡る対談の第3回目です!

 3月に『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる』(ベストセラーズ)を出版され、「株式会社ジョヤンテ」の美人過ぎる女社長としても有名な川崎貴子さんと、企業家の妻としての10年に及ぶ専業主婦生活にピリオドを打ち、子どもと3人で新たな人生をスタートさせた人気ブロガーで実業家の家入明子さんによる、恋も仕事も迷いがちな年頃女性に役立つリアルトーク第3弾。今回は、親子関係や20代を振り返り、女性ならではの感覚について語っていただきました。

川崎貴子 家入明子 対談 『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる』
(左)家入明子さん、(右)川崎貴子さん

子どもの数と苦労は等倍しない

―おふたりともお子さんがふたりいらっしゃいますが、これから子供を持つか持たないか考える年頃の女性に向けて、子育てを通じて感じたことがあればお教えいただきたいです。

家入 明子氏(以下、家入):うちは上の子が男で下の子が女なんですけど、女の子と接しているとパンツが見えそうになったら気になるとか、守ってあげないといけない気になるとか、男性的な目線で“女の子だから大事にしなきゃ”っていう思いがあることに気がついたんですよね。
息子に対しても思春期になった今でこそ、男性という認識は強くなってきたけど、でももう少し小さい時なら「この子は男の子だから」とは思わなかった。娘に対しては小さいときから「女の子だから」って意識が働いていたからか、ちょっと距離があるような気がします。

川崎 貴子氏(以下、川崎):女同士だからですかね?でも、うちはふたりとも女の子ですけど、私はすごく客観的にみていますよ、娘たちのこと。時折出る特有なわがままっぷりに出会うと、イヤな女だなーと思って(笑)。「パンが無いならケーキを食べろ!」ぐらいの事、ぺろっと言いますからね。マリーアントワネットか!っていう(笑)。

家入:イヤな女!(笑)。女同士でひとつの幸せを取り合っているような感じ?

川崎:そんな感じではないですね。ただ、私は職業病で「この子は女としてAタイプにいくのか、Bタイプにいくのか」って観察しているようなところはあるかも。敵視ではなく、タイプやケースとしてね。だから、「けっこうイヤな女になりそうだな」とか思っちゃう(笑)。
でもそれは娘たちがどうこうではなくて、正直な女の核というか、大人の女性は同性との関わりの中で繕うこととかを知っているけれど、あの子たちはまだ繕わずに根性丸出しだから、「なんで女の原型はこんなにも強欲なんでしょうか?」という感じ。きっと女性たちが本音で言いあったら、こういう女性達もたくさんいるんだろうなって思いますよ。

家入:あ~分かるかも(笑)。女の子ふたりですもんね。同性だとお子さん同士の関係はどうですか?

川崎:上の子は7年間ひとりっ子として育っているので、下の子が生まれたときはやきもち妬くとかはすごくありましたね。でも、今はだいぶおさまってきました。ただ、対等にケンカはしていますけどね。

家入:性別というより、年齢差なんですかね。ただ、川崎さんの話を聞いていても思ったんですけど、子どもを産むならひとりよりふたりのほうが、絶対子育てがラクになりますよね。子どもがひとりだと家の中にいてもふたりきりで息が詰まるほど向き合わなきゃいけないけれど、兄弟がいれば関係性は三角形になる。働きながら育てるにしても、ふたりいたほうが助かることも多いというか。
「子どもはふたりだと苦労も2倍」ではないんですよね、全然。

川崎:そうですね。結局、動線が多いほど煮詰まらないんですよ、人間関係って。子どもにとっても、そのほうがいい。ひとりだと親の期待がすべて自分に向けられるけれど、ふたりいれば親の目も分散されますからね。

―ひとりのほうが絶対ラクだと思っていましたが、そうではないんですね。

家入:子供を持つ前はそう思いますよね。私もそうでした、ふたりになると大変さも2倍になるって。でも、下の子が生まれて1年経たないうちから3人の人間関係にガス抜きできる隙間が生まれるようになって、そうじゃないんだって気づいたんです。
今は上の子が中学生になって家のこともだいぶ任せられるようになったから、ふたりで留守番とかもできるようになったし。もしひとりだったら、ちょっとためらっていたかも。抱えるものが多くなっても、ふたり目を検討するのはアリだと思います。

母親との関係が女同士の距離感の掴みかたに影響する

―女同士の親子関係について、もう少し伺えますか?

家入:柚木麻子さんの書かれた「ナイルパーチの女子会」という小説があるんです。同性の友達が作れない女性二人が主人公なんですけど、ひとりはやや問題がある家庭環境で育った過去を持つ人気主婦ブロガーで、もうひとりは非の打ち所のない家庭環境で育った独身女性。独身女性は両親がいい距離感を持って育ててくれているのに、女友達との間では距離感がつかめなくって「私はこんなにあなたのことを考えてあげているんだから、こうしなさいよ」みたいに、友情が凶器になってしまうんです。主婦ブロガーの方は基本受け身なんですが、良好な距離感がわからないからすぐに見切りをつけず、じわじわ振り回されるんです。
二人の、一見正反対な家庭環境で共通しているのが、母親が子どもを“ちゃん”付けで呼ぶところなんですよ。作者は意図して書いているのかはわからないんですけど。

川崎:わ~!なんか少しわかるかな。

家入:それというのも、私の家も「あっこちゃんはね」って、ずっと“ちゃん”付けで呼ばれていたんですよ。私も長年、女同士の関係性で距離の掴みかたが難しいなってなんとなく思っていて。だから、親が“ちゃん”付けして我が子の個を尊重することで、その子のプライベートゾーンが広くなりすぎて、他人との距離感が掴みにくくなるのかな?と思ったんです。
川崎さんは先ほど娘さんを「同性として客観視している」っておっしゃっていましたけど、それと近いのかなって。同性との友人関係をうまくこなせる人は、相手のすごく近い距離までいける人。私はそこが測りかねてしばらく難しいと感じていたので、女の子の親なら、子どものプライベートゾーンに踏み込むのも悪いことではないのかもって最近は思っています。この本(『愛は技術』)には、毒親についても書いてありますよね。

川崎:なるほどね~。毒親、書きました、書きました。うちの母親は、完璧に人との距離感が掴めない人でしたから。

家入:そうなんですか。ちなみに川崎さんは何て呼ばれていましたか?

川崎:「お姉ちゃん」って呼ばれていました。

家入:「お姉ちゃん」か。尊重されていたんですよね、きっと。

川崎:すごく尊重されていましたね。だけど、その「お姉ちゃん」のためを思って宗教めぐりにつき合わせるんですよ。

家入:それね、びっくりしました。お母さんの大きな心の穴が…ね。

川崎:ね。でも母がズルいのは、「お姉ちゃんが帰ってきてよかった~」とか、「お姉ちゃんに怒られるかと思った~」とか、少女っぽいんですよ。だから、心のどこかで私が男性的に、もしくは親ののように「この人を守らなきゃ」と思っていました。宗教めぐりも言いなりになっていたのではなく、「この人を守らなきゃいけないから、その教祖を一緒に見にいかなきゃ」みたいな勢いでついて行ってたんです。“守らなきゃいけない人”であって、“親”とは思っていなかったかも。
ただ、祖父母や父親も一緒に住んでいたから動線はたくさんあったし、妹と「うちのお母さんは異常だよね」と話せたりすることで女性同士の距離感をつかむことに関しても大丈夫だったのかと。

家入:昔から大黒柱として育っていたんですね。その反動で甘えさせてくれる悪い男に引っかかったりすることはあったんですか?

川崎:あまりないですね。若い頃の話ですけど、競っちゃっていたんですよ、男性と。だから、「強がらないで」とか言われると「なにを~!」って、意味不明はファイティングポーズを取っていたので、「甘えさせてくれる男」も「悪い男」も縁がなかったんですよね。その代わり、良い人と甘えん坊ばっかりでした(笑)。

「子育て→仕事」という新しい就職スタイル

―では、20代のときの過ごし方で、今思えば…というようなことはありますか?

家入:私は、20代のときはもう子育てをしていたんですよね。

川崎:そうだよね、子育て真っ只中だったよね。でも、明子さんの“先に子どもを産んで、育て上げてから働く”っていうキャリアはひとつの新しいスタイルというか、希望になると思うんですよ。だって、30歳くらいって出産を意識する時期なのに、働いている女性にとってはキャリアチェンジの時期だったり、昇進したり大きなプロジェクトに抜擢されたりするときじゃない。そうすると、どの時期に子どもを産むかがすごく重要になってくる。だから、就職前に子どもを産むというのもひとつのルートじゃないかと。
「日本は新卒至上主義だからそれができないのよね」っていう議論で止まっているんだけれど、明子さんみたいにそのルートで成功した人たちがいるんだから、その人たちにどんなスキルがあるのかとか、子育てしながら何に興味を持っていたのかとか、今こういうふうに輝けている理由を6時間くらいかけてヒヤリングさせていただきたいですね(笑)。

家入:私の友人で大学を休学して出産した子がいるんですけど、卒業するときに「新卒で就職するべきだとわかってはいるけど、もう少しお母さんとして専業主婦でいたい」って悩んでいる子がいました。難しい問題ですよね。
でも今思えば、20代前半とかめちゃめちゃ子どもなんですよね。大人の扱い方もわからないし。私の場合は「働けないし」とか「仕事もできないし」とか「継続するのも苦手だし」とか、苦手なことやできないことへの意識もすごく強かったんです。でも、30代になった今、意外とできるようになっているんですよね。
お母さんを経験すると、そこへさらに主婦コミュニティで磨かれたコミュニケーション能力が備わるから、20代の新卒に比べればある程度のスキルを持って就職できるというのはメリットかもしれません。加えて、自分の能力を認めてもらうためにも、「私はおもしろいですよ」「こんなことができますよ」といった発信をしたほうがいいとは思います。

川崎:お母さん業は究極にマルチタスクですからね。微妙なママ友とのやり取りなんかも、人の心の機微なんかが解らないと乗りこなせないし。明子さんの場合は元夫の職業柄いろいろな人が家に来たりしてちょっと特殊な環境だったから、社会性のコミュ力も養われていたんでしょうね。文才があったことは置いておいたにしても、子育てしながら磨いたコミュ力や調整力を生かしてアウトプットしたという行動が成功につながっているのかも。

家入:いやいや、私、調整力が本当にないんですよ。それこそ苦手意識が強い部分です。ブログを書くにしても、長いこと苦手意識がありましたね。私のブログなんて、読まれても100人くらいだろうって思っていたし(笑)。

川崎:え~!あんなに大人気なのに。でも、本当にいい文章ですよね。大ファンです(笑)。
私、明子さんのキャリアはとても興味深くて個人的に聞きたいことでもあるんですけど、人材業界の人間として言わせてもらっても、こういう例がたくさんできたらいいと思うんですよね。

家入:私は、働いていないお母さんでも、PTAを頑張るとか、ボランティア活動に励むとか、家の外にも何かしら活動の場があるといいなと思うんです。自分の世界が家庭だけになってしまうと、世の中の役に立ててるぞという貢献感を得る機会が少なくなっちゃって、どんどん自分に自信を持てなくなってしまうような気がします。
子どもは育って離れていくのに環境は変わらないまま年を重ねて、親戚と一部の友人だけで構築されている状況の人が周囲にもけっこういます。別に外部に開いていくことだけが善とは思わないけれど、長寿の時代、子供が育ってからの余生は結構長いんで、ちょっとずつでも外に開いていけるといいような気がします。

川崎:そうですよ。人生は長い。長い人生を飽きないで何とかやっていくには、外に開いて行かないと。私は特に「自分に飽きる」「自分が閉じる」って耐えられないから、こんな仕事をしてるんだろうな、と時々思います。

家入:30,40歳くらいで「はい、一息~」ってなって、その後の4、50年が余生だと思うと途方もないことですよね。だからこそ、今の時代は、仕事とか趣味とか、属していられる居場所を、何かしら自分から掴みにいく必要がある気がします。じゃないと、自分が心細くなっちゃう時代。私も、最初はお金を度外視して非営利団体のサポートスタッフとして活動を開始しました。それが、その後の仕事につながってます。
ひとつの取っかかりからネットワークをたどっていけば、どこまでも広げられると思うんです。いきなり仕事を始めなくても、人の役に立つことを少しずつやっていくことは、きっかけになるんじゃないかな。

川崎:「ひとの役に立つ」か。なるほどね。それはひとつの入り口として、長いブランクのある人にとっても参考になると思います。

Text/千葉こころ

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