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  • 2013.04.28

トトロ父の意外なビッグダディ感

第2回:草壁タツオはファザコン女子の拠りどころ!?

甘えさせてくれる中年・
草壁タツオのとろける父性

Nurture By rickyqi
©By RelaxingMusic

第1回ハウル好きな女子はだめんずにハマる!も、合わせてどうぞ】

 こんにちは、福田フクスケです。

 またしても、私、とても憂いでいます。

 Twitter上で、語尾に「~フク」と付けてしゃべることを、犬山紙子さんに強要されているから。

……では、ありません。

 私が憂いでいるのは、「ジブリ男子総選挙2013」で、理想の男性キャラの第二位に輝いたのが、『となりのトトロ』の草壁タツオだったこと。
そう、言わずと知れたサツキとメイのお父さんです。

 もちろん、理想の父親像だとは思いますよ?
でも、アシタカやハクといった男盛りのキャラを差し置いて、既婚・子持ちの中年男性に「オトコ」としての女性支持が集中してしまったという事実。
そこに、年頃の男子を代表して、いささかの危機感を感じている私なのです。

 “甘えさせてくれる余裕のある中年”を求める、「ファザコン女子」の増加。
それはつまり、恋愛市場において、女性たちが“若くてガツガツした男”に疲れ始めていることのサインではないでしょうか?


 このままでは、女性はみんな父性あふれるおじさまにかっさらわれ、残された若い男子は、パンパンに腫らした金玉袋をズルズルと引きずりながら、リビングデッドのようにウーアーうめいて街をさまよい歩くことになりかねません。

 まさに恋愛バイオハザード。想像しただけで地獄絵図です。

 そうならないためにも、今回は草壁タツオさんのどこがそんなに世の女性を惹きつけるのか、真剣に考えてみたいと思います。

“お父さん萌え”は“女”ではなく
“娘”に戻りたい心理…?

 タツオさんに投票した方の、主な支持理由は以下のようなものです。

【主な投票理由】
・温和で知性的、娘を対等に扱ってくれる理想的な大人の男性です。
・子供の扱い方や、雰囲気、いかにも文系なゆるい見た目、すべてが大好き。
・知的で包容力があって、なおかつ子供の心を忘れていない。萌えます。
・あの素敵なパパっぷりに心を撃ち抜かれない女子はいるんでしょうか。

 考古学者という知的な職業に、ボサ髪&黒ぶちメガネのビジュアルが、文系女子の心をくすぐるのはわかります。
また、「お化け屋敷に住むのが夢だったんだ」という少年のような心と、病弱な妻を気遣う献身的な夫としての姿も、支持率の高さにつながっているでしょう。

 しかし、タツオさんのポイントはなんといってもやはり、娘たちに対するあたたかな包容力。
そこに、“父親”としてだけでなく“男性”としての魅力も感じさせるようです。

 たしかに、タツオさんの“娘ころがし”のワザは熟練の域です。
「2階の階段はどこにあるでしょうか?」と、子供の冒険心を刺激することで自然と引っ越しの手伝いに参加させるテクニック。
「笑ってごらん、おっかないのが逃げちゃうから」と、自らゴリラのマネをして子供を安心させる器の大きさ。
そして、メイがトトロの住みかを見つけられずに「ウソじゃないもん!」といじけたときは、メイの言い分を全面的に信用して、「いつも会えるとは限らない」と見事なフォローまでしてあげています。

 常に子供と対等な目線に立って理解を示しつつも、子供が気付かないように大人の配慮をそっとしのばせる。
これって、自分の自尊心を押し付け、相手の心を支配しようとする恋愛モードの男に、もっとも足りない部分ではないでしょうか。

 男の自意識につき合わされ、勝手な“女らしさ”を強いられている女性にとって、“女”以前の“娘”に戻れる父性的な男性というのは、とても心地いい存在なのだと思います。

 余談ですが、このタツオさんの“お父さん萌え”する感じ、誰かに似ているなあ…と思ったら、マンガ『よつばと!』の“とーちゃん”にそっくりじゃありませんか?

 あのマンガの人気は、主人公・よつばの天真爛漫なかわいらしさだけでなく、「私もよつばちゃんみたいに扱われたい!」という、ファザコン女子の“子宮のうずき”に支えられている気がしてきました。

タツオさんが隠し持つ
意外な“ビッグダディ”臭

……と、ここまで書いたところで、私、衝撃的な事実に気が付いてしまいました。

 実はタツオさんって、設定ではまだ32歳らしいんですよ!

 ちっとも中年じゃねえ!

 全然枯れてねえし。
バリバリ男盛りだし。
なんなら精力ありあまってるし。

 よくよく考えてみれば、『となりのトトロ』の時代設定は昭和30年代前半。
ひょっとしてこれは、タツオさんが特別に“オトナ”で“枯れている”のではなく、今の30代男性がとりわけ“コドモ”で“成熟できていない”だけなのかもしれません。

 でも、ちょっと待ってください。
そうなると、12歳のサツキが生まれたとき、タツオさんはまだ20歳だったということです。

 昭和30年代ではなく、あえて現代の感覚で考えてみましょう。

 弱冠20歳の考古学者が大きな功績を上げているわけがないですから、タツオさんは将来どうなるかもわからない苦学生の身分で、かなりヤングなパパになったことになります。

 そして、妻の病気治療のためとはいえ、働き盛りの32歳で田舎に子供を連れて自給自足の暮らしをはじめるそのメンタリティ……。

 あれ、なんだかそこはかとなく“ビッグダディ臭”がしてこないでしょうか?
ひょっとしたらタツオさん、意外とイタい人なのかも……。


 タツオさんの魅力の本質は、見かけの草食性ではなく、根っこのヤンキー性にあり。
そう考えると、サツキも17歳くらいでカンタとできちゃった結婚しそうな気がしてきました。

「サツキとメイのお父さんが好き!」という人は、自らの内なるファザコン性だけでなく、秘めたるヤンキー性にも向き合ってみると、自分が本当に求めている“理想の男性像”が見つかるかもしれませんよ。

※次回は、人気投票第3位だった『もののけ姫』のアシタカがテーマです、お楽しみに。

Text/福田フクスケ

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ライタープロフィール

福田フクスケ
フリーライター。“くすぶり男子”の視点から恋愛やジェンダー、セックスなどを考察。

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