キレイになって見返してやる!「自己変革」期(3)

雨宮まみ 失恋 図 画像 失恋図 作成:雨宮まみ

第1回プロローグ:失恋後の苦しみはひとりで引き受けるしかない第2回「リフレインが叫んでる」期、合わせてお読みください。

失恋によってドン底まで落ち込んで、毎晩酒に溺れ、Twitterに思わせぶりなポエムを書き綴り、
気の済むまでLINEで長文愚痴メールを友達に送りつけまくると、傷つき疲れ果てた心の奥底から、炎のような気持ちが芽生えてきます。

「もう、こんな自分がイヤでたまらない……!」

毎日を暗い気持ちで過ごすのももうイヤ、ふられて敗残兵のような立場に立たされている自分もイヤ、何を見ても元彼のことを思い出してしまうこの場所、この時間、この世界のすべてがイヤになり、「脱出したい!」と強烈に思うのです。
失恋後のこの時期は、やり場のない気持ちのモヤモヤがたまりにたまっていて、その気持ちに火をつけさえすればロケット花火ばりのスピードで前に進むことができる、勢いに満ちた時期でもあります。

では、この時期をどのように過ごせば、失恋の痛手から抜け出し、前進することができるのでしょうか。

イキオイだけで習い事を始めるのは危険

この時期、一番強く思うことは、おそらく誰もが同じです。

「自分を変えたい!」

ふられるような、愛されない自分がイヤだとか、ずっと落ち込んでいる弱い自分がイヤだとか、理由はさまざまですが、
私の場合、この時期によくやらかしてしまった行動は「それまでまったく興味のなかった習い事に、急に興味を示して、それを習い始める」ということでした。
始めた習い事は、ボクシングとフラメンコです。
ボクシングとフラメンコ……そう書くだけで「弱い自分にサヨナラ!」「情熱的なイイ女になって、男を振り回してやる!」という心の叫びがフキダシになって可視化されそうです。

しかし、運動がことごとく苦手な私にイキオイ以外の原動力があるはずもなく、
ボクシングではあの左右に軽やかに動くステップそのものがまったくできず、
フラメンコでは何度やってもターンの方向を間違えるというありさまで、どちらも2ヶ月も続かずにやめてしまいました。

ボクシングをしているときは、「サンドバッグに浮かんで消える憎いあんちくしょうの顔めがけ~叩け! 叩け! 叩け!」(※世代が違うのでわからないと思いますが、『あしたのジョー』の歌です)という快感があり、失恋の憂さを晴らすにはいいなと感じる部分がありましたし、フラメンコで「ッターン!」と床を踏みならしているときもスカッとしたので後悔はしていませんが、入学金を払ったり、使う道具を買ったりしたのにこんなに短期間で辞めてしまうのはなんとももったいない話です。