グラビアアイドルが撮影中にカメラマンと…!?

「いいよ、沙希ちゃん。すごくキレイだよ」
 カメラマンがファインダー越しに声をかけた。沙希は、にこやかに笑ってそれに応える。
「よし、じゃあそろそろ、そのアイスを舐めようか」
 カメラマンに促されて、沙希は手に持っている沖縄名物のココナッツの実が入った、ミルク味のアイスクリームを口にした。
「いいね。そこで、もっと腰を突き出してみようか? セクシーな感じで」
 沙希の、小ぶりだが程よく肉の付いた瑞々しいヒップが、クイッと上を向く。
 そこで沙希は、今の自分が普段よりも素直に、大胆になっていることに気が付いた。男を挑発する女豹のようなポーズを、躊躇いもなく表現することができている。いつもの撮影だったら、無理やり求められる淫らなポーズに嫌悪感すら抱くのに……。
それはカメラマンを信頼しきっていることもあったが、沖縄という開放的で独特の雰囲気が、沙希の感覚をマヒさせているようだった。
(キレイになりたくて P8L1-L13)

 初夏の沖縄。青い空と綺麗な海に囲まれた沙希を撮影するのは、才能ある新進気鋭のカメラマン、篠宮。
「明るい未来が広がっている」と思うに相応しいファースト写真集のロケ。
が、しかし、そのすぐ後ろには暗雲が迫ってきていました。

 もしかして、今、バスタオル一枚? それなら丁度よかった。風呂上りのショットが欲しかったから、そのまま撮っちゃおうよ」
「ええっ!?」
 普通ならこういった撮影の時は、タオルの下に水着を付けるものだ。だけど、篠宮の口ぶりからすると、そういったものを用意している様子はまったくない。いくら信頼している相手とはいえ、男の人と二人きり。しかも、裸同然……。沙希は不安を覚えずにはいられなかった。

(中略)

(お願い来ないで!)
 だが、その思いも空しく、篠宮が徐々に近づいてきて背後にピタリと寄り添うように立った。篠宮の異様な雰囲気を、沙希は背中で感じ取っていた。腰のあたりには、硬く膨張したモノが触れている。
熟した特大マッシュルームの傘のような感触が、じんわりと伝わってきた。
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」
 荒い息遣いが、沙希の耳元へと近付いてきた。
(お願い! 平井さん、早く来て!)
 心の中でマネージャーの名前を呼んだ。だが、タイミングの良い救出劇などが起こるのは、ロマンチックな物語の中だけだ。篠宮の手が無遠慮に伸びてきて、沙希の肩を摑んだ。
(キレイになりたくて P14L2-P20L1)

 これから芸能活動を続けていく上で、カメラマンには気に入られたほうが絶対にいいことはわかっている。
けれども、そのために身体を与えるのは……。

 少し前のみのもんたのあの報道を見るまでもなく、芸能界はやはりセクハラ&パワハラの嵐。そんな事態に対局した沙希は……。

【後編につづく】

Text/大泉りか

Twitter、FacebookでAMのこぼれ話をチェック!

読者アンケート

AMではより楽しく役に立つサイトを目指すため、読者アンケートを実施しております。
本アンケートにご協力お願いします。
アンケートはこちら