焚いたときの香りは?

春画

香木系の材料が多く入っているので、落ち着いたウッディな香り。友人は「アジアンな香り」と感想を漏らしていたが、敢えて言うならばお寺の香り。いや、しかし、まむしの黒焼きや紫梢花が入っているためか、さりげなく焚くには存在感がものすごい。お寺で焚いてはいけない香りな気がする。それくらい例えようがない香りです。その上、火をつける前と着火時で香りが全く違います。

意外だったのが焚いたあとの部屋の残り香。かすかな麝香の香りがして、部屋全体が澄んだ柔らかな空気になっていました。個人的には焚き終わった余韻の香りのほうがムラムラそわそわする

春画 絵師不詳

このお香をそれとなくベッドサイドで焚き、話がはずんできたところでギュっと抱きしめれば脳もとろける甘い関係になれる! というよりは、これをさりげなくベッドサイドで焚き、だんだん部屋が経験したことのない香りになったことに気づいた相手に「ねえ、これ何の匂い?」と聞かれて、「まむしの黒焼きや粘膜がむずむずする紫梢花が入ったお香。手間暇かけて作ったお香の香りに包まれながら、君と結ばれたいほどにあなたが好き。抱きしめてもいいですか?」と言ったほうが効果がありそう。

相手が思惑通りムラムラしなくとも「そこまでして結ばれたいなんて(爆笑)!  今夜はこのまま委ねちゃおうかな。この後も面白い展開になるかもしれないし♪」と思わってもらえるはずです。

セックスは相手とのコミュニケーションであり、その時間をより楽しくしようと考えてくれている相手のその気持ちそのものが嬉しいし、その結果的、身体も上気するかもしれない。パートナーがお部屋に来たらさりげなくこのお香を焚き、セックス中は存在感のあるウッディな香りに包まれ、快感の余韻とともに燃え尽きたお香のかすかで柔らかな香りに包まれる。そんな日もあってもいいかもね。

Text/春画―ル