気になるお香の材料は??

春画

《原材料》
・丁子 2.3g
・甘松 2.3g
・紫梢花(ししょうか) 4g
・白檀 6.5g
・附子 6.6g
・五八霜(まむしの黒焼き) 6.5g
・麝香 20g
・竜脳 4g
・海狗腎膃肭臍(かいくじんおっとせい) 4g

江戸時代のお香の製法によると、これらの原材料を練蜜で練って土器に入れるとある。が、長く保存できるように材料をタブ粉と水で混ぜ自然乾燥させる方法にした。

今回ものすごく悔しかったのが、海狗腎(かいくじん)が手に入らなかったこと。海狗腎はオットセイの陰茎と睾丸を乾燥させたものである。オットセイのペニスはとても希少であり、単体で入手するのは困難でした。手あたり次第問い合わせていたので、数日間のわたしの独り言は「きんたま…きんたまが欲しい…」だった。

海狗腎の効果は精力増強。現在の薬局でも海狗腎の成分を配合した精力増強剤は販売されている。

春画 渓斎英泉《閨中紀聞/枕文庫(けいちゅうきぶん/まくらぶんこ)》

上の挿絵は江戸時代に渓斎英泉により描かれたオットセイなのだが、さて、当時オットセイの外見を忠実に把握している人がどれほどいたのだろうか(タヌキ…?)。

海外から紫梢花をお取り寄せ

入手で手こずった材料に「紫梢花」がある。まず、この紫梢花が何なのか謎解きからはじまった。

友人が論文から正解を探し当てたのだが、国内に販売しているところが見つからず、はるばる中国から取り寄せた。それほどにわたしは本気だった。意地でもこのお香がムラムラする効果があるのか確認したいのだ。性の探求のためなら本気でなんでもやれそうな自分を褒めてあげたい。そして数日かけ、中国から届いた紫梢花がこちら。

春画

はい、みなさま。これが紫梢花の正体です。軽石ではありません。紫梢花とは、淡水産の海綿です。日本では琵琶湖、日光の大谷川などで採れるそうです。

春画

この淡水産の海綿をすりつぶし粉状にすると、細かいガラス状の繊維になる。それを局部につけると皮膚面を刺激し、うずくように痒くなり、これが興奮剤となるそうです。本来の床での使い方は、これを粘膜につけてスケベなことをするとアソコの粘膜がかゆく熱くなり、さらなる相手の強い刺激を欲しがり激しく求めちゃう♡ということなのでしょう。

この紫梢花は無臭。お香に入れても催淫の効果があるのかしらと期待。

春画バーでおなじみ「まむしの黒焼き」も

「まむしの黒焼き」は、わたしが不定期で開催している「春画バー」というイベントのメニューにもなっています。これは東京都千代田区にある「伊藤黒焼き店」様で購入しました。

黒焼きは、土器の釜の中に野菜や動物、虫などを入れて蒸し焼きにしたものです。素材のもつ栄養素が凝縮されるだけでなく、通常の調理では摂取できない栄養素まで取り込めるようになるとか。

「魚粉! 魚粉の香りのするきな粉や!!」と感想をいただく黒焼きの効果はもちろん滋養強壮。

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50gで4,000円。そこらへんのサプリメントよりも高価なので期待ですね。さあ、この魚粉の香りがお香にどのように反映されるのであろうか。

材料を混ぜて成形

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材料を測り、混ぜる。金曜日の夜に誰にも会わず、自宅にこもってお酒を楽しみながらひとりで江戸時代のお香を作るのもオツなものです。

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忘れてはいけない、「麝香」も投入します。ジャコウジカから採取されたものは入手不可能のため、お香専門店で購入した麝香の香りの液体を適度に入れていきます。原材料のなかで、この麝香がいちばん癒される香りでした。ずっと嗅いでいたい。はあ。

春画

細かくした原材料とタブ粉を5:5くらいの割合で混ぜ、水を足し耳たぶくらいの固さになるまでこねていきます。次にこのお香をつくるときは好きな人といちゃいちゃしながら作りたい。

自分の耳たぶを触りながらお香の固さを調整していきます。そしてちょうどよい固さになったお香を好きな形に成形します。そしてダンボールの上で水分が完全に飛ぶまで乾燥させます。できあがりがこちら。

春画

見た目はアレだけども、まあ、火がつけば問題なし。

火をつける前は竜脳のクセのある独特の香りが鼻腔を刺激します。黒焼きの香りはあまり気になりません。多めに投入した麝香よりも、規定量投入した竜脳が主役になっているよう。ちなみに、香りもの全般大好きな友人はこの江戸時代のお香の香りを絶賛していました。

白檀はサンダルウッド、麝香はムスクとして様々な商品になっていますが、今回のように香木や黒焼きやらを複雑にブレンドしているお香はどこを探しても見つけられないでしょう。