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春画―ルの連載コラム「令和奇聞 (れいわ きぶん)」へ!
このコラムでは江戸時代の春画とともに、パートナーとシェアしたくなるような話や、わたしたちの現代の性のこと、お布団のうえで起こるあれやこれやのことについて書きしるしていくコラムです。
「春画―ルってだれやねん」
美術的な視点から絵を読み解いていく、というよりは、江戸と地続きにある現代人へ向けて「性や感情のつかみどころのない、その正体」を“感じる”」ことをモットーにしています。
「絵を見る」だけだと時代の分断が起きてしまって「歴史的」と言われがちなので、春画に囲まれた空間でお酒を飲めるバーを開催したり、江戸時代のラブローションを再現したり、江戸時代のアダルトショップで販売されていた「ムラムラしちゃう香り」を再現するために、マムシの黒焼きを買いに走ったりしてます。
これらの活動の根幹にあるのは、
「思考の根底は今もむかしも変わらない」
ということ。
ただ、わたしたち現代人が生きていくには「やるべきこと」や「考えるべきこと」が多すぎます。
baserangeに包まれた自分のお胸を愛おしく思い、Aesopのマウスウォッシュでお口を爽やかにして、アルジタルのデリケートハイジーンソープで自分のあそこを優しくケアする。
そんな自分をきれいに保つのに忙しいおんなたち。
でも心の中はどうですか?
「春画」って、あの昔の絵のエロ本のやつ?
わたしは「春画」を「性のいとなみ」が描かれている絵と説明します。
わたしたちには性別がある。あいまいな「性」。
ゆらゆら揺れつつもわたしたちにはいつも「性」がまとわりついてくる。
それは尊くもあり、ときには一瞬で恐怖にも変わる……そんな性のいとなみにわたしは「生きにくさ」を感じる。
生理はめんどくさい。へんなとこから毛は生えるし、においも気になる。
声はひくくなり、おしりも乳もたれてくる。
でも春画の中のひとびとは、しんどい浮世もなんのその。
自分の人生を、性を、心底にたのしんでいる。
わたしは春画をみるとき、「絵を鑑賞する」というよりも「誰かの人生をのぞいている」という感覚でいる。
はじめて恋をする。大好きな人と花火をみた夏。結婚して、おなかに新しい生命が宿った。
子を産み、乳を含ませる。共白髪で夫婦なかよく歩いていこう。
意外かもしれませんが、そんな「性のいとなみ」が春画のなかにはあるのだ。
だれかの人生のいち部分が描かれているからこそ、春画には共感できるところがある。
だから、「この春画、好きっていってもいいのかな」「笑ってもいいのかな」と正解を求めないでほしい。
あなたのなかに生まれたその気持ちは、これまでに得た大切な経験や、ゆっくりと育ててきた精神面からうまれたものだから。
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