なぜ小津安二郎は「3度の食事」と言ったのか

小津安二郎の名言も、昭和期から何十年も、日本国民から認められ続けてきたことで、日本人共通の意識となったのでしょう。「映画監督が『男女の仲は3度の食事がターニングポイント』と発言しているのだから間違いない!」と、刷り込まれているようなもん。そのうち「男女の仲は3度目がターニングポイント」という部分が独り歩きするようになったのでしょう。

小津安二郎が、どういう理由で「3度の食事」を節目としたのか、こればっかりは本人のみぞ知る、といったところでしょうか。ここからはミカコちゃんの推測ですが、昭和初期といえば「産めよ増やせよ」の時代。4回も5回も食事している仲なのに、進展の兆しが感じられなければ、さっさと諦め次に行けという風潮だったのかな。

そうそう、昭和といえば、戦後は「東洋の魔女」と呼ばれた女子バレーボールが全盛期の時代。バレーボールには、3回以内でボールを返すルールが設けられています。レシーブ、トス、アタックってやつですよ。3回目でアタックを打つ全日本女子チームの雄姿が、小津安二郎の恋愛観にも「3回目で決める!」という影響をもたらしたのかもしれません。

いずれにせよ、小津安二郎の名言が集合的無意識となり、「3回目デートがターニングポイント」が共通認識になっているのは揺るぎようのない事実! そのためにも、3回目デートまで漕ぎ着けられるよう、ベストを尽くしましょう。「2回目デートに行き着く難しさで戦意喪失なう」だなんて言っている場合じゃないぞ、ってことで!