好きな男との約束は叶わなくてもいい。「いつかのイメージ」が恋の一番甘い部分

by Ella Arie

年が明け、2021年がやってきた。今年はあれを頑張ろう、これを目標にしよう、 なんてせっかく考えても1、2ヶ月も経てば忘れ去ってしまう怠惰な人間なので、ここ数年はそもそも抱負を決めるのをやめてしまった。はなから決めなければ未達成で焦ることもないし、身軽な気分で一年を終え、また始められる。

自分の決めたことに縛られず、気の向くまま、行き当たりばったりで生きられたらいいなと思う。

「今年は彼氏をつくるぞ!」と意気込んで男性たちを日がな品定めするよりも、「この人なんだか良いかも~?」と思っているうちに気づいたら恋に落ちているようなそういう感じでいい。というか、そんな風にしか生きられないし、恋もできないのかもしれない。

でも、男との約束だけは別だ。「今年はどこかあたたかいところに旅行できたらいいですね」とか「むかし行った中野のバー、今年こそまた行こうね」とか、事あるごとに勝手な今年の目標を伝えている。年賀状を送る仲の男の人には、葉書のすみっこに何かしら行きたい場所を書いておいてみる。

たくさん誘えば、そのうちのいくつかは叶う。「最近、寒すぎる!温泉とか行きたいですね!?」と適当に発言したら、「じゃあ、今から旅館を探そうよ」と相手も乗り気になり、その翌週ほんとうに行ったこともあった。ふたりで会うのは3回目で、親密な恋人などという関係ではなかったから尚のこと意外性もあってワクワクしたし、「何でも言ってみるものだなあ」としみじみ思った。

新年の抱負は達成できなければ焦るしガッカリするが、好ましい男性との約束やお誘いは、実行できなくてもあまり気にならない。むしろ実行できていない約束のほうが今のところはるかに多い。好きな人とお気に入りの焼き鳥屋にもまだ行ってないし、神戸にあるらしいウォータースライダーつきの豪華なラブホテルにも行ってないし、パリのルーブル美術館を数日かけてまわるという話は昨今のパンデミックの影響でとうぶん無理そうだ。

まだ5回しか会ってない人とすでに20個くらい約束をしているし、20回会うころには100個くらいに約束が増えているだろうから、すべて果たすのは一生かかっても無理だろう。でも、それでいい。一生かかってもできないくらいに約束しておけば、少なくとも一生付き合ってくれるでしょう。人生が足りなければ来世でいいから、一緒に吉祥寺で約束した野菜ゴロゴロのカレーを食べてほしいし、無人島のビーチでセックスしてほしい。

前後の連載記事