セックスは諸刃の剣

 最近観たフランス映画「モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由」の中でも印象的なピロートークシーンがありました。
主人公の弁護士のトニー(エマニュエル・ベルコ)と色男のジョルジオ(ヴァンサン・カッセル)が、初夜を過ごした直後。
トニーが、ベッドで、ジョルジオに「私の(アソコの締り具合)は、大丈夫だったか?」とたずね、元夫に「アソコがゆるい」と言われて傷ついたエピソードを話し始めます。
ジョルジオは、「元夫のアソコが小さかったんじゃないか?」と、笑い飛ばす朗らかなシーンなのですが、「これこそ、セックス・セラピーだわ…」と思いました。
セックスのコンプレックスやセックス遍歴って、誰もが心の内に秘めているもの。
さらけ出すのも怖いし、できれば、臭いものには蓋をしつづけたい。
それでも、「この人になら、言ってもいいかな…」と勇気ある行動を起こし、そして、それを受け止める器のあるパートナーが存在することを実感したとき。
まさに、体だけじゃなく、心もひとつに繋がる瞬間。
 
 セックスは、諸刃の剣です。
人格を深く傷つけることもあれば、この世に生を受けた喜びを実感するような幸福なひとときにもなりえます。
幸福なピロートークが出来るカップルこそ、理想的な関係なんじゃないか、と思うのです。

 いい感じに話をまとめた後にアレですが、私は、時々、終わった直後に、パシッ!と仕事モードに切り替わり、そそくさと原稿を書き始めることもあるので、「賢者タイム!」と、パートナーに苦言を呈されます。
オンナだって、サクッと終わらせて、賢者になりたい時もあることを知って欲しいものです。

つづく。

Text/OLIVIA

次回は<潤滑剤はテーブルにある塩コショウと同じ!「性交痛」をカジュアルに緩和>です。
慣れてきたはずなのにまだまだ彼とのセックスが痛い。そんなとき素直に「痛い」や「今日はちょっとしたくない」気持ちを伝えることができていますか?セクシャルなコミュニケーションはセックスの要。痛みを緩和するためにも潤滑剤を使うことを提案できる雰囲気づくりからはじめませんか?