AVを女性向けに編集するということ
前回はSILK LABO作品について論じたので、同じくソフト・オン・デマンドが運営している日本最大級の女性向けアダルト動画サイト、「GIRL’S CH」について論じることにしよう。月間ユニークユーザーは約200万人にも及ぶらしいので、知っている人も多いのではないだろうか。
この動画サイトは、有名女性芸能人が監督したアダルト動画や、深夜番組を思わせるエロバラエティ動画など、オリジナルで制作されたコンテンツも興味深い。しかし、「GIRL’S CH」に関して私が最も興味深く思うのは、全動画のうち約85%が、自社の男性向けAVを5分~10分程度に編集した動画であるということだ。
「男性向けAVを女性向けに編集する」とは一体どういうことなのか? どう編集すれば「女性向け」になるのか? これが、今回考えてみたい問いである。
とはいっても、「GIRL’S CH」オリジナル動画を除いた約8500件ほど(2016年4月現在)の動画の元になっている男性向けAVすべてに目を通すことは不可能だ。
したがって、動画の代表性や典型性、あるいは極端性を考慮し、「これまでの再生数ランキング」1位の動画を分析することで、問いに対する一つの答えを出してみたいと思う。
「これまでの再生数ランキング」1位の動画は、「[無料会員]イケメン彼氏とお家でキスいっぱいラブラブエッチ」。
2014年6月に公開されたこの動画は、2016年4月現在、約121万回再生されている。その約1年5か月前に公開されているランキング2位の動画の再生数が約80万回に留まっていることからも、その人気のほどがわかる。
出演しているのは、人気AV男優・倉橋大賀。正常位シーンの彼の裸の後ろ姿は、男の私でも惚れ惚れするほど美しくなめらかだ。
だが、ここで満足せず、元の問いに戻ってみよう。
この動画のオリジナルはどんな作品なのかというと、実は、『世田谷区在住美人OL結衣24歳 恥辱まみれの輪姦レイプ』という、極めてヴァイオレンスにまみれたAVなのだ。
「輪姦レイプ」から「ラブラブエッチ」へ。いったいどうしてそんな編集が可能になったのか?