女性主体のアダルトグッズ時代…「性は二人で楽しむもの」ということも忘れずに

感動の出会い

プロジェクトセックス 遠藤遊佐 ラブメルシー Neto Baldo

 2年くらい前、ちょっと面白いイベントに出演させてもらったことがあります。
その名も『女子オナニー会談』
オナニー好きの女性が集まり理想のアダルトグッズについて話すというイベントで、私も「こんなアダルトグッズが欲しい!」というテーマで一席ぶったのですが、そこにゲストとして呼ばれていたのが、今回インタビューしたラブメルシー社長の高橋さんでした。
「遠藤さんの大好きな“フェアリー”を作った人ですよ」と紹介され「おお、あの名作を作ったのは女性だったのか!」と感動に打ち震えたことを覚えています。

女性向けアダルトグッズの母

 なぜ、そうも大袈裟に感動に打ち震えてしまったのか。私のオナニーを格段にグレードアップさせてくれた人だからというのはもちろんですが、もう一つ理由があります。

 アダルトグッズに携わる女性は今でこそ珍しくなくなったけれど、高橋さんがこの業界に飛び込んだ20年前は完全なアンダーグラウンドで、男性だけの世界でした。
バイブも「日本人女性には合わないアメリカサイズのものばかりだった」というのだから、今のオシャレで女性に優しいアダルトグッズを知っている私たちは、びっくりしちゃいますよね。
そんな中に女性の目を持ち込み、内部から変革してきた高橋さん。
最近は女性をターゲットにしたメーカーも出てきていますが、彼女がいたのはあくまでも昔ながらの男性向けアダルトグッズの世界。
声高に「女性向け」を叫ぶのではなく、商品を作り続けることで少しずつ変わったきたのだろうなと思うと、なおのことグッときてしまいます。

 持ち前のバイタリティとフットワークの軽さで、女が本当に気持ちよくなれるグッズを次々世に送り出してきた高橋さん。
もしその存在がなかったら、女性が主体的にアダルトグッズを使える日はもっと後だったのかも……。そう考えると、毎晩“フェアリー”にお世話になっている私はリスペクトせずにいられないのです。