これが自分のベストアンサー
そんな友達の不安を駆り立てるもう一つの原因は、彼女たちがレズビアンのカップルだということである。
盛大な結婚式の後に、長続きせずに別れてしまって「やっぱりレズビアンだから……」と思われたら悔しい。ゲイやレズビアンのカップルは長続きしないという偏見は珍しいものではない。
末長く愛を育むゲイやレズビアンのカップルは多いが、同性愛差別という大きな壁を乗り越えるのは困難だ。そんな社会的な背景もあって、同性カップルが恋愛関係を長続きさせるのはストレートカップルより難易度が高いだろう。
両親や親戚から冷たい視線をもらっているとすれば、余計に肩に力が入ってしまう。
「長続きしない恋愛でもいいじゃない」
不安をかき消してくれるような言葉を期待されていたのだろうが、これが自分のベストアンサーである。長続きするかどうかなんていう質問に答えはない。
長続きするかどうか心配なら、遠い未来を見て恋愛をするのではなくて、もっと今この瞬間に集中して恋愛をすればいい。不安から逃げることはできない。生きている限り、頭の中のネガティブな声も存在し続ける。
できることは視点を変えることだけである。周りの雑音が鬱陶しいなら、シャットアウトして自分の感情に目を向ければいい。きっとその方がもっと恋愛を素直に楽しめるはずだ。何より、レズビアンカップルだから長続きしなかったとしても、それが悪いというわけではない。
人生相談を終えた頃、友達に似合いそうなセクシーな黒いブラを見つけた。しかし、試着を終えた彼女は地味なベージュのブラを買うことに決めた。
30分近くもセールコーナーを物色した労力が水の泡になって、思わず意地悪な冗談が口から飛び出した。
「今から勝負下着をケチってたら長続きしないよ!」
「私のカラダならどんな下着でもみんなイチコロだから大丈夫!」
彼女は自信満々にその冗談を撃ち落とした。
Text/キャシー
次回は <共同生活という愛の形>です。
LGBTサイト「2CHOPO」から、トロントに住むキャシーさんの記事をご紹介!恋人ではない人との共同生活っていったいどんなものなのでしょう?性的なつながりはなく、かといって友達というには深すぎるほどのつながりを維持して暮らしていくのは、周囲から否定されることがあっても心の安らぐものなのかもしれません。
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