今までの経験を元に人間観察をすれば、相手との相性はなんとなくわかる。
この人となら楽しい時間を過ごせそう。この人となら日が暮れるまで食べ物の話で盛り上がれそう。
友達関係ならそんな頭の中の決めつけは大概当たる気がするが、これがセックスとなると全く別の話である。
誰かとセックスで盛り上がれるかどうか予想しようとしても当たった試しがない。

 自信満々に誘ったのに、ケミストリーのないセックスにお互いがっかりしてしまう。
全然タイプではない人で、そこまで乗り気でもないのに、逆に相性抜群なセックスになったりもする。
どっちに転ぶのかわからないから本当に困る。

「心の窓を開いて、両足も開けばいい」

 最近ヨガと瞑想にハマっているセックス好きの友人は天使のように悟りを授けてくれた。
つまり、相手とのセックス・ケミストリーがわからないなら、悩まずにみんなとセックスをすればいいということなのだろう。
食わず嫌いはしたくないが、何もかもを食べるのはあまりにも極端な気がする。
ヨガでコアを鍛えていない自分が彼のアドバイスを実践したら、数日も持たずにぶっ倒れるだろう。
そして、今日もあやふやなセックス・ケミストリーに惑わされて、自分は罪のない男たちの気持ちを弄んでしまう。
白黒していないのがこの世界の魅力だから、そんな謎の領域も一緒にまるごと楽しむのもアリなのかもしれない。

Text/キャシー

次回は<人の性癖を笑うな>です。
LGBTのためのコミュニティサイト「2CHOPO」の記事をご紹介!トロントに暮らすゲイのキャシーさんのセックスや恋愛に関するコラムです!今回は「性癖 」について。いつものように行っているセックスが他人から見れば「ちょっと変」に思われる?そんな経験ありませんか?