徹夜した翌日に、二時間だけ眠って、また朝まで原稿を書くのに夢中になって…という生活をしばらく続けていたら、今週の何曜日だったか、喉の痛みで目を覚ましたのに、体は起き上がれない状態になっていました。痛みに耐えながら体を起こし、やっとこさ辿り着いた病院の待合室で爆睡。寝た記憶はないけれど、起きていた記憶はある状態。
お医者さんに「薬出しますけど、とにかく休んでください」と苦笑され、薬局の待合室でまたも熟睡。ほとんど両目を閉じながら帰宅したその日の夜、体力が戻ってきたのか高熱が出て、ようやくいまパソコンの前に戻ってこられたのですが、すでに過ぎ去っていった大量の締め切りにぼんやりとしています。仕事の要領が悪すぎるよ!
こんな時に複雑なAVなんか見られません。いまの鈍感な私には、羞恥プレイの繊細さも感じ取ることができません。
これはもう本能に忠実に、もっと動物的な、ノーマルセックスを追求するAVを見るべき日がやってきたんじゃないでしょうか!
ノーマルなセックスを濃厚にするキスの嵐
画面に大橋未久さんが映った瞬間、AVを見ながら幾度となく頭に浮かんだ「こんなにきれいな人がセックス……」がまたも浮かんできて、脳内でため息をついてしまいました。
カメラに上目遣いを続けながら、中学二年生で経験したファーストキスについて話す彼女。こんなに可愛い人を14歳まで周りは放っておけたのでしょうか。あるいは、これくらいきれいだと放っておかれるものなんでしょうか。
最初のキス、その一度きりで別れたという男の子との信じたいような、信じたくないような、甘酸っぱい思い出が彼女の口から告げられた後、スーツを着たAV男優がフレームインしてきます。
「ちゅーして?」と甘えたようにおねだりする彼女は、甘酸っぱい思い出は遠くに置いたプロのAV女優になっていました。その声と仕草の可愛いこと。
キスに重点を置いた『舌と唇で感じあう 濃密ベロキスづくし 大橋未久』は、とにかく彼女の舌がエロい作品です。
正常位でも騎乗位でも、ずっと舌が絡み合っている映像は、キスのあるセックスの健全さに満ちていて、私の上がっていた熱も下がりそうでした。男性の乳首を舐めている時や、顔射の後にのぞく舌は、ぽってりとしています。
挿入時に、イクと言った後、「もっとやって!」と腰を振る姿も、健全な快楽に満ちていて素晴らしいです。
最も官能的だったのは、彼女がひとりだけで、カメラに向かって語りかけてくる映像です。
スケルトンの棒にキスをする彼女の唇には、絶対に落ちることがわかっているのに口紅とグロスがきちんと塗られていました。本能的に絡み合うセックスシーンの後に、口紅がしっかりと塗られた唇を見ると、なんだかぞくぞくします。
徐々に服をはだけながら、カメラの前にある透明な板に唇を押しつけ、下着の中を手でまさぐりながら、体も板に押しつけてきます。柔らかい肌が、板でつぶれて、板から離れて…彼女のキスと息づかいが荒くなるほど、彼女の脳内は逆に冷めていくようで、その温度差にまた、こちらの脳内が熱くなってくるのでした。
あれっ、私と彼女の体温が反比例している……。
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