鑑賞後、湯山玲子さんによる作品解説
湯山さん曰く、本作品以外でも『徳川セックス禁止令』など、ロマンポルノには面白い作品が多いとのことで、ロマンポルノ鑑賞会はやってみたかった企画だったとのこと。
解説では、映画事業が衰退せざるをえなかった中、日活が成人映画へ舵をきった背景や、ロマンポルノが、若手監督の登竜門であった点も解説いただきました。
日活ロマンポルノ自体は、低予算で制限された環境下ではあったものの、※規定のフォーマットさえ守っていれば、どんなストーリーの作品を作ってもよかったとのこと。
(※10分に1回は絡みのシーンを入れる、モザイクなしで対処できる撮影にするなど)
その自由度によって通常の映画作品では実現できないような、アヴァンギャルドな作品がつくれたらしいです。
ちなみに、『Shall we ダンス?』の周防正行監督や、山本晋也監督などロマンポルノ出身。現在、映画界で活躍している有名監督も多数いるんです。
作品の解説では、『昼下がりの情事、古都曼陀羅』において、「ピンポン玉で遊ぼうよ」と、ピンポン玉を使った表現が多用されている点を取り上げ、肛門性交の比喩ではないか?といった話や、ピンポン玉はシュールレアリスト達が好んだモチーフということから、根底に流れるシュールレアリスムの話までかなり濃厚な話が展開されました。
また、ロマンポルノには、アダルトビデオと違い、関係性に萌えていく展開が多いのも特徴とのこと。たしかに、ヒロインのファッションもそうですが、行為を全面的に押し出すのではなく、情緒を大事にしていると感じました。
そして本作は終始、
「あくまでも、女性は常に受け身であり、情欲の引き金は男性がひくようになっている」
とのこと。たしかに山科ゆり演じるヒロインはというと、最後の大逆襲はあるものの終始「駄目よ、駄目よ」といいながら…的な描写でした。
それは今も変わっていないとのこと。男性が絶食や草食だとは言われているものの、女性が自らの性欲を自覚して行動に移すことに対しての、男性からの冷やかな視線は変わっていない。むしろ強くなっているのでは?といった会話も繰り広げられ、会場はどんどんヒートアップ。
そんな熱がこもった会場で、どんどん話は拡がり、各所で賛否両論を繰り広げられている『テレクラキャノンボール』(※)話や、女性のあらゆるファンタジーが盛り込まれている『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』、『ルポ 中年童貞』の話へと(笑)。
内容が濃すぎて省略させていただきますが、湯山さんが紹介した『ルポ 中年童貞』に書かれたエピソードには、ゾッとしてしまいました(笑)。
そして個人的には、観客の女性たちの可愛さと、活発性に驚きました。本当にオシャレで素敵な女の子が多かったです。
また湯山さんが観客の方たちに投げかけた質問に対して、迷いなく自身の意見を的確に発言していて、すがすがしくなりました。
イベント終了後、参加者の女性へお話伺ったところ、たまたま前日にイギリス人の彼からirohaをもらったことがきっかけで、急遽ネットでイベントを見つけて参加してみたとのこと。アグレッシブ!!!
終わったあと、湯山さんにもお話を伺いましたが、湯山さんご自身もイベントを楽しめたとのことで、次回が楽しみですとのこと。
TENGA広報さんも「初めての試みで不安もありましたが、蓋を開けてみれば会場も満員で大盛況のイベントとなりました。今後も継続していければと思っています!」とのこと。 会場の女の子たちからも「次回は?」といった声もあがっていたので、また近いうちに第二弾が実現するかもしれませんね!楽しみです!
Text/Iraiza
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