中絶をするなら早めの「初期中絶」
妊娠12週未満の中絶を「初期中絶」、12週以降の中絶を「中期中絶」といいます。
【初期中絶】妊娠12週未満の中絶のこと。
*方法:子宮内の胎児などを掻きだす「掻把(そうは)法」か、吸引器具で吸い出す「吸引法」で堕胎します(どちらの方法をとるかは病院や医師によって違います)。
*入院:手術時間は10~15分と短いもので、基本的に日帰り(手術前日に子宮の入り口を広げる処置をするため入院することもあります)。ただし全身麻酔で行われるため、手術後3~5時間は安静が必要。
*費用: 約10~15万円(病院によって金額に違いがあります)
【中期中絶】妊娠12週以降~22週未満に行われる中絶のこと。
*方法:通常の出産と同じ方法「分娩法」をとります。あらかじめ子宮の入り口を広げる処置をしておき、子宮を収縮させる薬剤で人工的に陣痛を起こし、流産させます(妊娠12~14週なら初期中絶と同じ方法で中絶する病院もあります)。
*入院:身体に負担がかかるかるため3~4日ほどの入院が必要。その後も1週間ほどは安静にしなくてはなりません。
*費用:約30~60万円(病院によって金額に違いがあります)
*その他:手術後、役所に死産届けを提出することと、胎児の埋葬が必要(埋葬許可書がないと死体遺棄になります)。
これを読んだだけでも、中絶をするなら「初期中絶」が望ましいことがわかると思います。
選択を先延ばしにしたい気持ちも分かるけど…
中絶が最も安全かつ確実に行えると言われているのが妊娠7~8週。
月経が1~2週間遅れたら、すでに妊娠5~6週目だから注意してね。
「月経が遅れているのは月経不順だから……」「中出ししてないから大丈夫と言われた」「妊娠したかもしれないけど、怖くてどうしていいのかわからない」と先延ばしにしておきたい気持ちも分かるけど、今後を考えると早めに対応するべき。
避妊しないでセックスをしたり、月経が遅れたりなど、思い当たることがあったら、早めに妊娠の検査をすること。
中絶を希望し、病院を受診しても即日手術してもらえるわけではないし、中絶前の検査や手術の予約、同意書の準備などを考えると、月経の遅れに早く気づいて受診することが何度も言うけど望ましいの。
もし妊娠に気づくのが遅くなって初期中絶の時期を逃した……ってことになったら費用はもちろん、あなたの身体や心に負担がかかることを知っておいてくださいね。
次回は中絶の不安についてお話します。
監修/松村圭子先生
Text/平川恵
初出:2014.01.09
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