先日、息子が6歳になりました。誕生日当日は、リクエストされた唐揚げとハンバーグを作り、近所のケーキ屋でチョコレートケーキを購入。自宅でお祝いしつつ、わたしは6年前の出産当日、心がぽっきりと折れたとある出来事を思い出していた。
あれは陣痛に襲われている真っ只中、ようやく分娩室に運び込まれたときのことでした。最近は配偶者が分娩室に入って、子どもが生まれる瞬間を見届ける、立ち合い出産がわりと主流ですが、夫とは、分娩室には一緒に入るけれど、ベッドから分娩台にあがるタイミングで出て行ってもらう、という取り決めにしてありました。
どうしてかというと、ひとつは、夫の性格からして、わたしが痛い痛いと取り乱すところを見たら、絶対に笑いをこらえきれず、「他人事だと思って笑ってんじゃねー!」とわたしがブチ切れることが想定できたこと、さらには医者も助産師もわたしも必死にがんばっている最中に、手持無沙汰にぼんやりと突っ立っていられるとイラつきそう、と思ったからです。なんと殺伐としたシミュレーションでしょうか。
夫が囁いた、忘れられない一言
しかし、この陣立てはわりと正解でもありました。というのも、陣痛の最中、分娩室に入ったところで、そこにいた助産師の女性を見た夫がわたしの耳元でこう囁いたのです。
「泉まりんに似てない?」と。
ご存知ない方のために説明すると、泉まりんとは、2000年代半ばに活躍していたAV嬢です。わずか3年ほどで引退してしまったけれども出演作はかなりハード路線。なので、わたしは分娩室でゲロだのフィストファックだのス〇トロだのを思い出すこととなった。さらには「徳井義実のチャックおろさせて~や」という番組の中にあった、手コキされつつカラオケで90点以上出したら100万円ゲット、という「手コキカラオケ」という企画に泉まりんが手コキ担当で登場した際に、ナースの恰好をしていたことまで思い出してしまい、助産師さんはすっかり泉まりんにしか見えなくなってしまった。この呪い、どうしてくれる!
しかも、間髪入れずに泉まりん似の助産師さんはベッドの上に横たわっているわたしにこう言ったのです。
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