泉まりん似の彼女が…

「浣腸しますね!」
泉まりんが浣腸って言ってる。これはAVなの?……と一瞬現実感を失いそうになりました。しかも、しますか?ではなくしますね!ということは、わたしに選択肢はないということです。けつあな確定したところで、まりんちゃんは続けていいました。
「ちょっと苦しいかもですが、最低でも30秒間は我慢してくださいね」

その言葉に負けん気が刺激されたのは、わたしはかつてSMクラブで働いてた経験があったからです。浣腸して30秒間、我慢しろだと?バカにしてんのか。こうなったら元SM嬢のプライドにかけて、この病院の歴代最長記録を達成してやるわ!と。

というわけで、勝つ気まんまんでまりんちゃんから浣腸を受けることとなったのです。アヌスに冷たい液体を注ぎ込まれて1秒、2秒、3秒……わずか10秒もしないうちにわたしの口から出てきたのは、「すみません、あの、本当に30秒間、我慢しないとダメですか。絶対に無理そうなんですけども……」という半泣きの懇願でした。お湯にグリセリンをちょこっと混ぜたものの比にならないほど、病院のは強烈だった……。

そういうわけで、出産のときのことを思い出すと、息子が生まれた喜びとともに、あのときはイキがってすみませんでした、完全にわたしが思いあがっておりました、という恥辱が蘇る。出産という経験は、わたしに謙虚さを与えてくれた。

Text/大泉りか