「渡る世間に鬼はなし」というコトワザがあります。世の中は鬼のような輩ばかりではなく、大半は良い人ですよ……という意味です。Tinderなどのマッチングアプリをやっていると、このコトワザの意味を再認識させられます。
そう、大半のTinder利用者は良い人なのです。しかし難しいのは、良い人だからと言って、会いたい気持ちが高まるとは限らないということ。
これは全ての男女関係に共通して言えることだと思うのですが、真面目で優しくて誠実……つまり良い人だからといって好きになるとは限りません。逆に、モラハラでメンヘラでクンニしないのに、なぜか好きになることだってあります。おそらくその背景にあるのは「なんか色気が感じられる」ってことだと思うのですが、2人目に会った男性はそういう意味では、色気を感じられる人物でした。
ぶっちゃけ、メッセージのやりとり自体は面白くも何ともなかったのですよ。「いま何しているの?」「『青天を衝け』観ていますよ-」「おー」みたいなカンジで、ちっとも会話が拡がらないタイプ! 私はコミュニケーションにおいて「面白さ」を重要視するので、彼は論外極まりない男性でした。それでもなぜか感じられる色気は、ナチュラルなタメ語がそう感じさせたのでしょう。
基本的には、いきなりタメ語で話しかけてくるようなタイプは苦手です。しかしこの男性から話しかけられる「どの辺に住んでいるの?」「仕事は何やっているの?」などのタメ語は、なぜか心地良かったのです。
いよいよ会ってみることに
というわけで、3週間ほどメッセージのやりとりを交わし、いよいよ直接会ってみることとなりました。飲み屋が軒並み休業中だった時期ということもあり、相手から提案されたのは「ホテル飲み」でした。普通に考えたら、いきなりホテルだなんて論外です。しかし、例の「なぜか感じられる色気」に誘導され、「飲み屋も開いていないし、まぁいいか」という気分になりオッケーを出しました。
余談ですが、飲み屋の休業中はTinderに限らずどのマッチングアプリでも「いきなり家デート」「ホテル飲み」の流れが来ていたようですね。酒を飲まない人にとっては、「カフェやファミレスが開いているだろう!」とツッコミどころ満載でしょう。しかし私のように、酒が入らなければ場が持たないタイプの人間にとっては、カフェやファミレスで会う選択肢はないのです。カフェやファミレスで会うくらいなら、リスクを冒してでも家やホテルという選択肢になるのです。
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