歩み寄れる地点を探していきましょう

正直なところ、あなたもわたしのように「勘弁してくれ!」と言わないまでも、「なんで言ってくれなかったの…」とガックリくる部分があるのでしょう。
それによって、相談文にもあるように「このまま心の距離が離れていってしまうのではないか」と不安にもなっていますよね。
あなたの気持ちは、よくわかります。

でも、ひとつだけあなたの誤解を解いておきたいのですが、旦那さんは「自分はもっとしんどい思いをお前のために我慢して黙ってやってるんだぞ」とは思っていないということ。
おそらく、旦那さんとの気持ちのすれ違いからそういう風にネガティブな方向に思考が引っ張られているのだと思いますが、きっと旦那さんはそんな気持ちはないはずです。

不満や自分の感情をその都度相手に伝える人と、外に出さずに自分の中に溜め込んでおく人、この2つはそれぞれの性格なんですよね。
性格というのは持って生まれたものでもありますし、そうなるに至った理由があって形成されたもの。それを変えることはとても難しいし、たとえ変えられたとしてもかなりの時間と労力を要します。
だから、あなたが旦那さんに合わせて不満を押し込め続ける必要はないし、旦那さんにあなたの価値観を強要するのもしてはいけないのです。

ただ、ここまで読んで「もう分かり合えないんだ!」と諦めないでくださいね。
相談文を読んで、あなたも旦那さんもお互いのことがめちゃくちゃ大好きで、これからも仲良くやっていきたいと思っているのが、とてもよく伝わってきました。

あなたはあなたで夫婦円満に過ごしたいから、大爆発を起こす前の段階で不安要素となりそうな小さな芽を摘んでおきたいと思っての行動ですし、旦那さんは旦那さんであなたを傷つけまいとしての行動を取っていますよね。
せっかくお互いのことを思いやっての行動だったんですから、すれ違わないように、きちんと折り合いをつけて、歩み寄れる地点を探していきましょう。

自分がどう思ったか、どうして欲しいかを感情とセットで

まず、旦那さんがあなたに対して何か月、何年と抱えて不満がどういったものなのかは書かれていないのでわからないのですが、「離婚を考えるほど」と言うくらいですから、あなたたち夫婦にとってはよっぽど大きな出来事ですよね。
だからこそ、あなたもとてもかなしい気持ちになっているのでしょう。

先にもお話ししたようにわたしは不満は都度相手に伝えるタイプなので、あくもでも想像でしかないのですが、不満を自分の中に溜め込んでしまう人というのは、ほとんどの場合、そのひとつのことをずーっと執念深く考え続けていたわけではないと思うのです。
おそらく、不満を一旦押し込めておいて、そのまま特にアクションを起こさずに静観し、なんらかのきっかけによって、その不満を閉じ込めていた蓋が開いてしまい、様々な要因が重なって我慢できずに外に飛び出してしまった、というのが実態なのではないでしょうか。
まあ、言われた側からしてみたら、そんな何年もの間、閉めっぱなしだった蓋を突然開けられたら堪ったもんじゃないとは思います。

そういうとき、きっとあなたは旦那さんに「その都度言ってほしい」とは伝えていると思うんです。
でも、どうして都度言ってほしいのかまでは、伝えられていますか?
もしも、その理由を話していないのであれば、きちんとそこまで話したほうがいいと思います。

たとえば、「不満を抱えたまま過ごしているのはきっとあなたもしんどいだろうし、そんな状態のままあなたが生活していると思うとかなしい」とか、「あとから言われても過去の記憶を掘り起こしながらの謝罪しかできないし、その都度言ってくれたほうがきちんと改善できる」とか。

きっとあなたなら、旦那さんから言われた不満に対して逆切れしたり断固として聞き入れなかったり……なんてことはしていないとは思いますが、旦那さんがあなたに対する不満を打ち明けてきたら、真正面から受け止めることだけは怠らないでくださいね。

そして、旦那さんがあなたに対する不満を長い間抱えて過ごしていたのは、「あなたに傷ついてほしくない」という思いやりからの行動ですよね。
結局あとから言うくらいならその場で言ってよ! という気持ちは、もちろんわかります。
でも、そこにもどうしてそうしてほしいかの理由を付け加えましょう。
「あとから言われたほうがその場で言われるよりもずっとかなしいんだよ、だってその間あなたがどういう思いでわたしと接してたのかって考えたらつらいから」とか「その都度言ってくれたほうが、わたしはちゃんと受け止めるし、ダメなところは直す努力をするから」とか、自分がどう思うか、そのときどういった行動をするかまで。

相談文から、あなたは十分に言葉を尽くしてるのは伝わってきました。
でも、さらにもう一歩進んだ先の言葉を尽くしてはいかがでしょうか。
「〇〇してほしい」「〇〇しないでほしい」には、きちんと「わたしがうれしいから」「あなたがつらいとわたしもかなしいから」などと感情を付け加えたほうがいいと思うのです。
それに付随する理由があると、理解度はぜんぜん違いますからね。