私が町内会の班長になってわかった夫のよさ「夫/友達とすると楽しいこと」

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今回のテーマは「友達としたほうが楽しいこと、夫としたほうが楽しいこと」である。

私は、友達とか夫以前に大体のことは「1人」でやるのが楽しいと思っている。 「孤独のグルメ」だって「グルメ」は副題であり「孤独」が主題なのだ、孤独が損なわれたらグルメがいくら良くても、自由で救われることはない。

会社員時代、会社の偉い人が昼休み定期的に女子社員たちを回る寿司につれて行ってくれていたが、正直そこで食う寿司より、社内で1人食う、1本満足バーの方がよほど美味かった。

行動というのは、その内容より、誰とするか、もしくは単独でやることが大切なのである。 「結婚」だって「結婚すること」より、どう考えても「誰と結婚するか」の方が重要なのである。 どれだけハイスペの男と結婚しても相手と合わなければ、その結婚生活は、例えコース料理でもアスファルトの味しかしないものになってしまう。

それより、ジョイフルでも盛り上がれる人と結婚した方が良いし「アスファルトでも1人で食えば美味い」という人は、結婚の必要すらない。

ちなみに、ジョイフルの説明はしない、各々、ググれカス。

ただ、さすがの私も、悪口は友達と言った方が楽しいと思っている。 大体の事は、1人、もしくはある意味最愛のダチ公である「インターネット」と楽しくやっている私だが、他人の悪口だけは、あんまりインターネットに書かない。

品性の問題というより、ネットに書いたことはすぐ拡散するし、自分に3兆倍になって返ってくることがあるので、担当の悪口と殺害予告以外は保身のために極力言わないようにしている。

夫の前では愚痴はまだ言えるのだが、あまり悪口は言わない。夫自身があまり人の悪口を言わない人だからだ。 先日その夫が珍しく「会社で合わない人がいる」と愚痴をこぼしていた。 その際夫は「俺が合わない、などと思う人は珍しい、100人に1人の逸材だ」と言っていた。

100人いたら120人を「合わない」と思い、320人に「合わない」と思われている逸材である私とはエラい違いだ。

こんな人の前で、人の悪口や愚痴ばかり言っていたら「何故そんなに人を嫌うのか」と純粋に疑問に思われたり「被害妄想が鬼強すぎる」と恐怖を与えてしまうだろう。

それでは、「夫として楽しいこと」など何一つないではないか、と思われるかもしれないが、そんなことはない。