パートナーが「子どもは欲しい」と口にしたら…
育児の問題については、話し合いや擦り合わせで解決することもできますが、身体の問題はどうやっても代替え不可能です。つわりがひどかったり、腹がでかくなったり、股が裂けたり、帝王切開の手術をすることになったりと、物理的に女性の身体にかかる負担は、シェアしようがありません。少なくとも男性側は(当たり前のことですが)、妻が妊娠したところで、肉体変化があるわけではない。「夫婦で子を成す」というのに、妻と夫とは、性差によって、どうしても違いが出てきてしまう。
件の男性と話す度、経産婦としては、「この人、出産と育児のリアルをどう考えてるんだろ」と思うことしかりなのですが、もっともわたし自身、「なんとかなる」と楽観的に考えて、後にそのリアルに気が付き、なぜ妊娠前にもっと話し合っておかなかったかと後悔した口です。
ワンオペ育児や家事で死屍累々になっている友人の経産婦たちの姿を見るにつけ、自らの生活クオリティを守るためにも、パートナーが「子どもは欲しいと思っている」と口にした際には、妊娠や出産、育児が女性にどれだけ負担がかかるのか、それを他人事ではなく、どれくらい当事者として担う気があるのかを、具体的にしっかりと話し合っておいたほうがいいように思います……とはいうものの、生まれてみないとわからないことも実際、多くあるのも確かなのですが。
Text/大泉りか
初出:2020/10/31
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