「私、すごいでしょ?」っていう女性のプロフ

そして何かをはじめて自分の世界が広がるって、その分、いろんな人と気持ちを共有できるってことなんですよね。
経験した人にしか共有できない感情や知識、感覚って間違いなくあります。

以前取材をした60歳の女性が、こんなことを言っていました。
「今ね、お琴を習い始めたのよ。70歳になる頃は経歴10年よ!」

70歳で仕事を引退し、シニアのテニストーナメントを回り始めた男性はこう言ってました。
「トーナメントには90歳が何人もいる。70歳なんて青二才」

そう言う人たちってすごくステキなんですよね。

ところが難しいのは、ここからです。婚活サイトで知り合ったかたから、「サイトで感じのよくない女性のプロフ」を見せてもらったんです。

「仕事や勉強で忙しくしていますが、おしゃれにも気を抜きません」
「フラワーアレンジの講師資格を持ち、現在は英会話を学んでいます」

彼が苦手なのは「頑張ってる自分アピール」がギッシリのプロフだそうです。
確かにプロフを見る限り、ちょっと怖そう……。
こんなに頑張っている彼女たちに「俺こそつり合う」って男性、よっぽどの自信家なのでは……?

長く生きてるってことは、それだけの経験が積めるということ。
それは自分が生きていくのをとても楽にしてくれるけれど、あくまで自分だけのもの。声を大にしてアピールすると、逆効果かもしれません。言いたくなっちゃうけどね、頑張ってる自分を認めて欲しくて。

婚活って相手あってのものだから、プロフィールに相手が不在だと敬遠されちゃうんですね。バランスって大事です。

Text/和久井香菜子

初出:2018.08.18