今回のテーマは「夫婦と酒」である。
最後に酒を飲んだのはいつだっただろうか、少なくともコロナ以降は飲んでいない。
しかし、すでにコロナが何年からだったかを忘れているため、正確な期間は全然わからないのだ。
だが無職はすぐに時の流れを見失うため、老が最終的に戦前と戦後の区別のみを操って生きるように、我々にもコロナ前コロナ後という基準ができて本当によかった。
数十年もすれば「またババアのコロナ前トークがはじまったよ」と若にウザがられながら、嬉々として自粛警察や他県ナンバー狩りがどれだけ恐ろしかったかを語るようになるのだろう。
何故そこまで曖昧な状態でコロナ以降飲酒をしていないことを覚えているかというと、私は基本的に酒宴でしか酒を飲まないからだ。
よってコロナで酒席が開かれなくなってから飲んでないし、コロナの大きな脅威が去ったと共に私を酒席に誘う人間も絶滅したため、禁酒は継続中である。
そもそも酒を飲みたいとあまり思わないため、禁酒をしているという意識もない。
そして余談だが私はタバコも吸わないし、吸いたいと思ったこともない。
つまり「酒もタバコもやらない」という文言は「真面目でも何でもない」と言うことだ。
己を律しているから酒もタバコもやらないわけではなく、単に好みじゃないからやっていないだけであり「酒もタバコもやらないが強度の盗癖がある」など、まだ酒を飲んで寝ていてくれた方がマシなタイプはいくらでもいる。
私も酒とタバコはやらないが課金は止められないし部屋は片付けられない、そして幸い白い粉には手を出してないが黄色い粉には手を染めている、今すぐスピリタスで昏倒させた方がよい人材だ。
逆に言えば、酒が合わない体質で本当に良かった。
酒というのは合法かつ安価で入手でき、さらに健康にダイレクトアタックしてくる代物である。
私のような依存体質の人間がハマったら早急に健康を害して鬼籍に入ってしまう。
夫は私と異なり、かなりの酒好きというかビール好きであり、仕事から帰宅したらまずビール、休日は昼間から飲んでいることも珍しくない。
今は良いが、定年後やることがなく、昼間から連続飲酒をしてすぐに死んだり恍惚化しそうで怖い。
しかし、私と比べて夫は節度があるので大丈夫のような気もする。
人間にもブレーキがついており、これ以上やったらまずいことになると察した瞬間、心にいる孤独のグルメの留学生バイトが「これ以上はいけない」と制止に入るのである。
しかしどの段階で「これ以上はいけない」と判断できるかは人それぞれであり、なかにはバイトがバッくれているタイプもいるのだ。
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